【たすけてドクター】002. 生理痛でユウウツ

よく立ちくらみを起こすのは低血圧のせい?
Q. ここ数年生理痛がひどくなり、最初の2日間くらいは鎮痛剤を飲まないと我慢できません。のぼせるような感じや頭痛もあり、下痢することもあります。3日目からは急に症状が軽くなり普通に生活できますが、来月また生理がくると思うとゆううつです。
(28才・会社員)
A. あなたのように生理痛で悩んでおられる女性はとても多いんです。産婦人科でよく先生から聞かされるのは「子宮内膜症かもしれません」という言葉ですね。
この病気の最大の特徴は、生理痛が以前とくらべてだんだんひどくなってくること。便をするときや性交時に痛むこともあります。これは子宮の内壁にある内膜(※1)が、本来あるはずのないところ…例えば子宮の表面や子宮の筋肉の中、腹膜などにできてしまう病気です。
この内膜も本来の内膜と同様に出血(微少なものですが)するために、生理痛が重くなるんですね。極めてまれには、内膜が肺に飛んで、生理のたびに血を吐く人もおられるそうです。私はまだお目にかかったことはありませんが…。この「よそにできた内膜」は、出血と修復を繰り返すので周囲の組織と癒着しやすくなり、この癒着が不妊症につながることもあります。病気の原因はまだはっきりしていませんが、ダイオキシンとの関連もあるかもしれないという説も最近聞かれるようになりました。
西洋医学的には、ホルモン剤を使って生理を止める治療が広く行われています。これは女性ホルモンの値を下げることによって「よそにできた内膜」を萎縮させようとするものですが、更年期障害のような症状が出たり、骨の密度が少し下がったりするので、あまり長くは使えません。

東洋医学を使うとすれば、血液の流れを良くするような漢方薬(※2)やハリ治療が効くことがあります。「生理痛イコール病気」ということではありませんが、あまりつらいようなら専門医にかかることをおすすめしますね。
(※1)この内膜が女性ホルモンによって厚くなり、はがれ落ちて体外に排出される現象が、すなわち「生理」なのです。
(※2)当帰芍薬散(トウキ シャクヤクサン)や桂枝茯苓丸(ケイシ ブクリョウガン)などがあります。