【SDGs】札幌のサステナブルな人・モノ・コト|poroco2022年3月号掲載

2022年2月19日

サステナブルな人・モノ・コト

“サステナブル”は、今も未来も心地よく暮らすためのキーワード。
札幌での取り組みをポロコ編集長がインタビューしました。

UPCYCLE HOKKAIDO

廃棄されるはずのものに
命を吹き込む「アップサイクル」

 最近よく見かける「アップサイクル」という言葉。原料に戻して再利用する「リサイクル」とは異なり、廃棄される物の形や質を変えることなく、新たな“価値”のあるものに生まれ変わらせるというもの。アイディア次第で様々なものができ、北海道内でもアップサイクルの製品が少しずつ増えてきている。
 札幌のハウスメーカーに勤める吉田友花さんが’21年8月に立ち上げた株式会社アップサイクルホッカイドウは、家を建てる際に出る建築端材を使い、暮らしまわりのアイテムを製作。薄く削った木で作る「カンナ屑リース」や、角材を繰り抜いた「エゾトーチ」など、木の特徴を活かした製品は、使う木材の種類によって色や香りが異なり、一つひとつに味がある。
 「最初は勤め先から出る端材だけでしたが、『提供したい』という企業のつながりが次第に広がってきています。収集したものを磨きながら、『何に変わるだろう』と考えるのがおもしろいですね」。現在は、札幌市内の雑貨店などに卸すほか、主にイベント出店で販売を行なっている。「この製品が、どういう素材を使って、どうやってできたのか。大工さんをはじめ、ものづくりの職人のストーリーを伝えたくて、対面での販売を大切にしています。お客さんからアイディアをもらうことも多く、UPCYCLE HOKKAIDOに関わってくれるみんなの意見を形にしていきたい。『ごみ』に価値を、その価値を人に伝えて、モノと人のいい循環を作っていけたら」。

シンプルなものからドライフラワーを組み合わせたものもある「カンナ屑リース」3,300円~、スケートボードのカラフルな層を活かした「お香立て」「靴べら」各2,200円~。

作業場で木材を磨く吉田友花さん。ハウスメーカーの同僚で、UPCYCLE HOKKAIDOのクラフターでもある加藤幸太さんと運営。「『ごみ』に価値をつけたい」と、代金を支払っての収集もしている。

ハウスメーカーのデザイナーと大工が製作を手がける「スピーカー」7,480円~。スマホをさすと、音が響く構造になっている。

ロゴをプリントしたトラックで道内をまわっている。道外のイベントに出店することもあり、今後はその先で角材を収集したいと考えているそう。

「スウェーデントーチ」をヒントにした「エゾトーチ」1,650円~。大工が付けた印などがそのまま活かされているのもおもしろい。

サーフィンのように雪上を滑って楽しむ「雪板」小50,000円~、大65,000円~。一年に1回、「加伊 wood + fiber glass」と加藤さんがコラボした、雪板を作るワークショップも開催。

アップサイクル ホッカイドウ
UPCYCLE HOKKAIDO


2021年8月に創業。建築端材をはじめ、廃棄されるはずだったものを活用して暮らしのアイテムを製作。札幌市内のお店に卸すほか、イベントで製品を販売。出店情報などはSNSで確認を。
Instagram @upcycle_hokkaido

Interviewer | poroco編集長 谷藤 夏紀
自然が好きで、オールシーズン登山やキャンプを楽しむ。山や川、海に落ちているごみの多さに驚いたことをきっかけにSDGsに興味を持ち、日常的なごみ拾い、5Rを心がけるなど、できることから実践中。

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