【SDGs】札幌のサステナブルな人・モノ・コト|poroco2022年4月号掲載
サステナブルな人・モノ・コト
“サステナブル”は、今も未来も心地よく暮らすためのキーワード。
札幌での取り組みをポロコ編集長がインタビューしました。
FORESTY
花を愛でる心が、森と動物を守る
“やさしい循環”
世界で活躍するフラワーアーティスト清野光さんが率いるフローリストチーム「GANON FLORIST」。「世界一花を愛せる国を作る」を理念に、フラワーギフトの制作のほか、作品展示やショープロデュース、”自然と人の共存”をテーマにした様々なプロジェクトを行なっている。
プロジェクトの一つである、お花をアートのように頭に飾って写真を撮影する「HANANINGEN」は、「花」を特別な思い出に残すことで、自然や花を愛する心を育んでもらいたいと'14年にスタート。まだ美しい状態ながらも販売が難しくなった花を活用することで、生花店で一般的に30%といわれる花の廃棄(フラワーロス)を、3%まで削減することに成功した。
'21年にリブランドした花の定期便「FORESTY」は、自宅のポストに花が届くサブスクサービスで、売り上げの一部を動物を守る国内外の植林活動に還元。花のある豊かなライフスタイルがフラワーロスを減らし、森に住む動物たちを守ることにつながる、やさしい循環を生み出している。
札幌をはじめ、全国にカ所拠点があり、それぞれの地元の生産者や市場から花を仕入れ、翌日にはフローリストがコーディネートした新鮮な花が届く仕組みに。花のボリュームや届く間隔によってプランがあり、「どれくらい続けると木が一本植えられるのか」が目に見えるので、環境に貢献できている実感を持てるのがうれしい。年5月には、NPOとの連携で「FORESTY」による植林がモンゴルで行なわれる予定となっている。

自宅用のほか、ギフトに利用する人も多いそう。パッケージは、代表の清野さんがロスフラワーを使ってデザインした蝶のモチーフが施されている。

生産者とパートナーシップを結び、長期的・安定的に花を仕入れることで、経済にも貢献。フローリストがコーディネートした花が新鮮な状態で届く。

花のボリュームによってポスト投函と宅配の2種類があり、写真はポストに届く1回700円(送料360円別途)の一例。

'22年5月には、沙漠化が深刻なモンゴルで植林活動をするNPO法人「MAKE HAPPY」と連携し、植林を実施する予定。

「HANANINGEN」プロジェクトでは、いままでに世界で5万人以上を"発芽”させてきた。クリエイターの育成も手がけ、女性の活躍も推進している。

代表の清野光さんは、'13年に札幌で「GANON FLORIST」を創設。フラワーアーティストとして、国内外でのファッションショーや装飾を手がけるなど、多岐にわたって活動。現在、日本、バンコク、シドニー、台湾に10以上のスタジオを持つ。

'21年に東京・スパイラルビルで行なわれた展示会で、ロスを減らすため、すべてそのままドライになる植物で制作した代表・清野さんの作品。
ガノン フローリスト
GANON FLORIST
コロナ禍では、花の需要が減る中、生産者のもとで大切に育てられた花を救おうと「ロスフラワー救済プロジェクト」を発足。同ブランドの理念に沿い、SDGs達成に向けた取り組みを行ない、'21年3月より外務省「JAPAN SDGs Action Platform」の取り組み事例として紹介。
TEL:011-633-5522
札幌市中央区宮ヶ丘3丁目3-8
10:00~18:00
https://ganon-florist.com/

Interviewer | poroco編集長 谷藤 夏紀
自然が好きで、オールシーズン登山やキャンプを楽しむ。山や川、海に落ちているごみの多さに驚いたことをきっかけにSDGsに興味を持ち、日常的なごみ拾い、5Rを心がけるなど、できることから実践中。