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【たすけてドクター】043. 「寒冷じんましん」は治るの?
2018年8月1日

「寒冷じんましん」は治るの?

Q. 以前、皮膚科で「寒冷じんましん」と診断され、季節を問わずかゆくなり、ミミズ腫れにもなります。もう薬を服用して1年以上が経ちますが、良くなる気配がありません。どうすれば治りますか?
(32歳・主婦)

A.  避妊しやすい時期ということですが、俗に言う「安全日」ということですネ。この反対が「危険日」ですが、キッチリと「安全日」「危険日」に分かれているわけではありません。女性の体はいつ排卵しているかわからないと考えた方がよいのです。では少々理屈っぽくなりますが説明に入りましょう。

 排卵日の頃が妊娠しやすい時期であるというのはおわかりでしょう。ですから、まずは自分の排卵日を知ることが大切ですネ。月経周期は月経開始日から排卵までの卵胞期と、排卵後から次の月経開始日までの黄体期に分かれます。この黄体期は機能不全があって短縮しない限り約2週間あります。

 すなわち排卵は生理の始まる約2週間前で、これは月経周期にかかわらず一定なのです。この約2週間というのをもう少しはっきりした日数で知りたい時には基礎体温を測定するとよいのですが(※1)、この考え方で行くと、生理が始まってから過去を振り返って2週間前のこの日が排卵だったと初めてわかることになるのですが、これでは意味がありません。

 実際に役に立つのは将来いつ排卵するかなので、月経開始日から何日目が排卵なのか、つまり卵胞期の日数がわかればよいのですね。月経周期=卵胞期+黄体期ですから、月経周期がほぼ決まっている人については、卵胞期=月経周期/2週間(14日)で排卵までの日数が計算できます。たとえば、30日の周期で月経がきている人は、30-14=16日目頃に排卵していることになり、21日周期であれば7日目頃ということになります。これですと生理が完全に終わらないうちに排卵している可能性もあるわけです。

 ここでお断りしておきますが、月経周期とは月経開始日から次の月経開始日までの日数をいうので念のため。月経終了日から次の月経開始日までを周期と勘違いしている方が多いのでお間違いのないように。周期の日数を間違えると今の計算が狂ってしまいます。黄体期が実際に何日あるのかは人によってマチマチですし、同じ人でもその周期ごとに若干前後することはあるでしょう。基礎体温をつけて確認することが重要です。なお今までのお話で、月経周期の長い短いは卵胞期の長さによる、ということがお分かりいただけたと思います(ただし黄体機能不全がなければの話ですが)。

 さて、話を分かりやすくするために30日周期の場合で考えていきましょう。妊娠しやすい時期は生理が始まって16日目頃ということになるのですが、実際には少しズレがあり16±2日、すなわち14~18日目と考えます。ではこの期間だけを危険日と考えていいのでしょうか。ここで精子の生存期間が問題となります。

 排卵日前であっても精子が生き延びて14~18日目にかかってしまうと、妊娠の可能性が出てきます。では精子はどれくらい生きられるのでしょうか。大体3日といわれていますが、長い場合には1週間ということもあるようです。そうすると月経開始から6日目に射精された精子は最大に見積もって13日目には死に絶えますから、14日目以降の排卵にはかからないことになります。ちなみに卵子の受精能力は24時間ですから、7日目以降排卵の翌日までは「危険日」と考えられます。ですからこれ以外は「安全日」といえるでしょう?

 以前、私も「寒冷じんましん」と診断された患者さんを診たことがありますので、その経験をお話ししましょう。

 その人は"冷たい物にふれた部分が赤く腫れて、痛がゆくなる"という症状でした。そこで、ある皮膚科を受診したのですが(ある大学病院でしたが…)、「治らない」と言われてしまい、「もしかしたら漢方で…」と考え、知人の紹介で私のところにやって来ました。

 話を聞くと、冬に寒い部屋の中で数時間片付けものをした日に突然症状が始まり、冷たいフロアの上を歩くと足の裏が腫れ上がったり、さらにアイスクリームを食べても同じように口の中が腫れるようになったとのことで、とにかく体の部位を問わず、冷たいものに触れるとアウトとのことでした。

 初めて会ったときには1年を通して症状が現れてしまっていたので、この点は質問の方と同じですネ。あまり聞いたことのない症状だったのと、私も漢方を始めて間もない頃だったので、「こんな病気を治す薬などあるのだろうか」と、正直言って気持ちが引けてしまいました。すでにその大学病院からは皮膚の反応を抑える抗アレルギー薬が処方されていたのです(ダメもとで出したのでしょう)が、やはりその薬は効かず、「治らない」と言われたこともあり、その方は沈んだ表情でした。

 寒冷にさらされたことがキッカケで出た症状ですから、とりあえず温めることを考え「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)と、かゆみを取る「当帰飲子」(トウキインシ)を処方しました。

 来院時、発症から1年半ほど経っていたので「ダメかな」と思ったのですが、2週間後には「かなりよくなった」とのことで、さらに2週間飲み続けたらほぼ症状は消失。「サウナに行って冷たい水風呂に入ったけど大丈夫だった」という話を聞いて私も「本当によくなったんだ」と思ったものです。念のためにさらに2週間分出して治療は終わりました。

 この症状が質問の方と全く同じ病気なのかどうかはわかりませんが、西洋薬を1年以上飲んでも治らないのであれば、漢方薬を試してみるのも1つの方法だと思いますよ。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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