【たすけてドクター】176. 最近よく耳にする子宮頸ガンのワクチン接種。費用は高いですか?

最近よく耳にする子宮頸ガンのワクチン接種。費用は高いですか?
最近、ニュースなどで子宮頸ガンのワクチン接種についてよく耳にしますが、詳しいことが分かりません。ワクチン接種の費用は高いのでしょうか?
(33歳・女性)
A.
子宮頸ガンはウイルスが子宮頸部に付着することによって発生するため、ワクチンによる予防が可能
子宮頸ガンの予防ワクチンが、今年になってようやく認可され、接種できるようになりました。子宮頸ガンは、“パピローマウイルス"が性行為などにより子宮頸部に付着することによって発生するので、子宮頸ガンもワクチンで予防できるようになったのです。 ただ、誤解を招かないように少々説明いたしますと、原因となる“パピローマウイルス"は100種類ほどありますが、このうち子宮頸ガンをもたらすのは15種類であり、子宮頸ガンの約70%は16型、18型の2種類で起きるといわれています。現在使用されている子宮頸ガンのワクチンは、“パピローマウイルス"15種類すべてに対するものではなく、16型と18型の22種類にしか効果がありませんので、「ワクチンを打てば一生子宮頸ガンにはならない」というわけではありません。他の約30%の“パピローマウイルス"によってガンが発生する余地はあるのです。ですから、ワクチン接種後も子宮ガン検診はキチンと行なう必要があります。 ワクチンは3回接種する必要があり(初回接種の1カ月後と6カ月後)、費用も保険がきかないため3回で5万円弱かかります。基本的にワクチン接種はウイルスに感染する前、すなわち性行為に入る前に打たなければなりませんので、中学生~高校生が対象になります。現在、地方自治体によっては費用を助成しているところがありますが、主に中学生のみが対象となっています。今後も含めて、おそらく18才以上の年齢の方は対象にならないのではないかと思われます。
年齢に関係なく、ワクチン接種を行なうことにより罹患率は低下
ただし、性行為経験者にはワクチンの効果はないのか、というとそうではありません。接種した方が子宮頸ガンの罹患率は下がりますので、年齢に関係なく産婦人科を受診してください。