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【たすけてドクター(胃腸科)】025. 健康診断でタンパク尿の結果。どんな病気が考えられる?

2018年8月1日

健康診断でタンパク尿の結果。どんな病気が考えられる?

Q. 会社の健康診断で「タンパク尿」の結果が出ました。数値は標準より少し高めだったのですが、どのような病気が考えられますか。

(40歳・女性)

A.  腎臓の病気は早期発見が大事

 健康診断でタンパク尿を指摘されたということですが、腎臓の病気の早期発見には大事な所見ですから、必ず再検査を受けてください。正常の状態では腎臓から尿にタンパクが排出されることはありませんが、タンパク尿があるケースがすべて病気というわけでもありません。

 

持続的なタンパク尿は要注意

 タンパク尿には良性で一時的なものと、持続的でタンパクの量も多く、腎臓病など本格的な病気の際に見られるものがあります。前者の場合は発熱時に出る「熱性タンパク尿」や「激しい運動のあとに出る尿」、長時間立っていることで生じる「起立性タンパク尿」などがあります。女性は膀胱炎になりやすいので、その際にもタンパク尿が出ることがありますね。これらのタンパク尿は再検査をすれば、陰性となりますので心配はいりません。しかし持続的に陽性が続きタンパクの量が多い場合は、病的ですから精密検査が必要です。

 

三つに分けられる病的タンパク尿

 病的タンパク尿は1「腎前性」、2「腎性」、3「腎後性」の三つに分けられます。腎臓はタンパクを尿に排出しないように働いているのですが、1は血液中にそれを上回るような過剰なタンパクが存在すると、腎臓の能力を超えるためにタンパク尿が出るものです。これは「多発性骨髄腫」という病気のときに見られます。2は腎臓そのものに病気のある場合で、これが最も多いケース。3は尿管や膀胱などに炎症や腫瘍などの病気のあるときです。前述のとおり最も問題になるのは、腎臓そのものが病気のとき。「タンパク尿に血尿が合併している」「高血圧・糖尿病がある」「タンパク尿の量が多くなってきている」という場合は、正確な診断とその後の治療方針をキチンと決めるという意味で、腎臓の組織の一部を取って調べる「生検」なども必要になります。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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