さっぽろカフェ連載(42)/アリサの北海道お菓子店 chat
体にやさしいだけじゃない、美味しいお菓子を
同店を主宰する柴田愛里沙さんのことを知ったのは、もうずいぶん前のことになる。
自らの体験に基づき、作るお菓子は白砂糖不使用でグルテンフリー。
材料にはどれも体にやさしいものを選んでいて、最近ではお菓子研究家としてメディアで見かけることも多かった。(そして無類の猫好き!)
あるとき、百貨店の催事で手にした「フィナンシェパイ」の美味しさに驚愕。しっとりとしてコクがあって、コーヒーにも紅茶にも、ものすごくよく合う。
それまで抱いていた
「ヘルシーなお菓子=体にいいから食べる」
というイメージはあっさりと覆されてしまったのだった。
心穏やかに過ごすカフェ時間
お店の1階では低アレルゲン品種『ゆきひかり』の米粉や、有機豆乳、有機ココナッツオイルなどを使った洋生菓子&焼き菓子をはじめ、ハーブティーなどを販売。
購入したスイーツは2階の喫茶スペースで食べられるようになっている。
靴を脱ぎ、急勾配の階段をゆっくり上っていくと、広がるのはこじんまりとしながらもセンスのよい空間。
風に揺れる麻のカーテンや、静かに時を刻む古時計、木目が美しいテーブル。
どこを切り取っても心地よく、体の芯からほっとする。
この日はレモンのショートケーキとハーブティーをセレクト。
素朴なスポンジケーキの間に挟まった自家製レモンカードは、一般的なものよりずっとレモンのみずみずしさが感じられ、外側を覆うクリームは淡雪のように軽やかに消えていく。
レモンカードは本来、ものすごく大量のバターを使うので少し罪悪感が伴うけれど、こちらのものは爽やかな酸味とともに、するりと喉を通っていく。
みんなのためのテーブル
同店ではお菓子教室も開催していて、素材のことやちょっとしたコツも教えてくれる。
参加してみてわかったのは、家族のアレルギーなどで「食べることを楽しむ」ということに苦労されている人たちの存在だ。
お店のテーマは「one table for everyone!(みんなのためのテーブル)」。
私のように美味しいものをせっせと食べたい人間はもとより、アレルギーのある人、ライフスタイルとしてヴィーガンを選択した人、その誰もが同じテーブルを囲み、同じお菓子を食べて、「美味しいね」って言い合えるなんて素敵じゃないか。
南円山の住宅街、隠れ家というにもあまりに隠れていて、見つけるのも一苦労。
でも一歩お店へ足を踏み入れたら、アリサさんの食への深い愛に触れることだろう。
アリサの北海道お菓子店 chat
札幌市中央区南6条西23丁目4-26
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店名
アリサノホッカイドウオカシテンチャットアリサの北海道お菓子店chat
- TEL なし
- 住所 北海道札幌市中央区南6条西23丁目4-26
- アクセス 地下鉄円山公園駅4番出口より約12分
- 駐車場 1台
- 営業時間 11:00~17:00(喫茶室12:00~16:30)
- 定休日 日〜火曜
- 席数 10席/禁煙
- 子供の利用 OK
- URL https://chatsweets.jp/