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さっぽろパンスタイル (19)/cafeスロープ

グルメ 2021年8月22日

札幌で活躍するパンコーディネーター・森まゆみさんのWEB連載。

札幌のパンにまつわる、あれやこれやの美味しいお話をチェックして!

札幌軟石窯パンとコーヒーがおいしいリノベーションカフェ

食パン、あんぱんなどパンのテイクアウトも好評
食パン、あんぱんなどパンのテイクアウトも好評

円山西町の住宅街、急勾配のスロープを上った先にあるのが「cafeスロープ」。

パンとコーヒー、やさしい空間が私たちを迎えてくれる。

 

物語のはじまりは、店主の伊藤さんが会社員だったころに見た夢だった。

伊藤さん自身が楽しそうにカフェを経営している夢。目覚めてからその内容を詳細にメモしたそうだ。

その夢の話を熱心に聞いてくれたのが当時の同僚で、もう一人の店主・田頭さんだった。

その後、二人を取り巻く様々な事情がまるで運命のように動き出す。

そして、導かれるように丁寧に慎重に、時には大胆に準備を進めて2015年にカフェスロープをオープンした。

カウンターとキッチンがある1階

築60年の住宅を改築した店舗
築60年の住宅を改築した店舗

伊藤さんの祖父母が暮らしていた築60年の住宅を改装した店の1階は、厨房と小さなカウンター。

「おいしいトーストを出すカフェにしたい」と提案した田頭さんのアイディアが、店づくりの柱になった。

信頼するコーヒー豆店から仕入れた豆を丁寧に淹れたコーヒーも評判だ。

 

 

 

 

札幌軟石窯でパンを焼く

パンを担当する伊藤さんが「山の上でパンを焼くなら石窯を使ってみたらどうか」と、彫刻を専攻していた経験から札幌軟石を選んだ。

札幌軟石は接着せず積み重ねているので、欠けなどの修理の際は間から抜いてはめ込む作業でいいという。

最大の特徴は、熱を中で溜め込み、外に出さないので、室内に設置しても安心なところ。

パン焼き窯としては初めての札幌軟石。石材店を頼りに何度も試し焼きをしているうちに、試作品の窯に愛情が沸いてそのまま使い続けることになった。結果、クラストはバリッと、クラムがモッチリとした理想的なパンが焼けるようになったという。

札幌軟石を使った窯
札幌軟石を使った窯

看板商品は山型食パン「マーチ」

「マーチ」2山820円・1山410円
「マーチ」2山820円・1山410円

人気商品で看板商品の山型食パン、「マーチ」。

なんだか、ウキウキするような楽しげなネーミングの食パンだ。

北海道産小麦の『ゆめちから』『はるきらり』『きたほなみ』などをブレンドした粉と米のピューレを20%混ぜたのが、マーチの生地。

米のピューレは多めの水でトロトロの重湯になるまで火にかけたもの。

この米のピューレがパンに甘みを施し、米の保水力で時間が経ってもしっとりした食感が持続するという。

食べる前から感じるほんのりスモーキーな薪の香りもおいしさのポイントだ。

 

 

2階のカフェスペース

夏は緑の森、冬は雪景色と、美しい景色が窓から見える
夏は緑の森、冬は雪景色と、美しい景色が窓から見える

自家製あんことトースト

自家製あんこ
自家製あんこ

cafeスロープといえば、もうひとつ。

自家製あんこがおいしいと、その評判は高い。

現在は、ポリフェノール含有量が多く、炊き上げるとあっさりでありながらコクを感じるという十勝産小豆『きたろまん』を使用。

一度炊いてから砂糖蜜に常温で半日~一日寝かせて、中火で約2時間炊いて完成させる。

 

 

「あんこアーモンド」 450円
「あんこアーモンド」 450円

その自家製あんこを使ったカフェメニューのトーストが「あんこアーモンド」。

厚切りのマーチの上に自家製あんこをのせて、さらにアーモンドクリーム(アーモンドプードル×有塩バター×砂糖)をかけてからしっかりトーストして完成。

リピート率が高い人気メニュー。

食事としても大満足のトーストメニュー

「ピザ」 550円。
「ピザ」 550円。

自家製のトマトソースと同じく自家製のバジルソースがポイントのピザトースト「ピザ」。

夏は酸味を意識して新鮮な生トマトを使う。

トーストを担当する田頭さんは、同じメニューでも季節によって素材の変化を楽しんで作っているという。

常連さんはきっとそんなところも好きなんだろうと思う。

「5種のチーズ」 550円
「5種のチーズ」 550円

「5種のチーズ」の正体はパルメザン、ゴーダ、ブルー、モッツァレラ、チェダー。

ちょっとクセを感じるくらいに合わせたという。ブルーチーズが全体をまとめていてパンチもある。

ブルーチーズが苦手な人は伝えると対応してくれるのも親切。

アップルパイみたいなりんごトースト

「りんご」 550円
「りんご」 550円

このメニューのイメージはアップルパイ。

「アップルパイのようなりんごトーストを食べてもらいたい」とアイディアが浮かんだという。

大切なのは素材選びから。現在使うりんごの品種は、肉質がしっかりしていて香りがよく、水分を含んでいる『紅玉』。

皮ごと薄くスライスして蒸す程度に火を通す。

このりんごをたっぷり使ったトーストメニューが「りんご」。厚切りのマーチの上にアーモンドクリームを塗ってその上にりんごをこんもりとのせてトーストした。パンとクリームとりんごのバランスよしの、まさにアップルパイ!

 

 

 

スロープを上って「cafeスロープ」へ!

この看板が目印。
この看板が目印。
急勾配のスロープを上った先には店主の笑顔とおいしいご褒美!
急勾配のスロープを上った先には店主の笑顔とおいしいご褒美!
※2021/4/1以降の各記載価格はすべて消費税込価格となります。
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SHOP INFO
  • 店名
    カフェ スロープ
    cafe スロープ
  • TEL 011-676-7138
  • 住所 北海道札幌市中央区円山西町7丁目7-7
  • アクセス バス円山西町2丁目停より約7分
  • 駐車場 あり/3台・無料
  • 営業時間 12:00~18:00(パン販売は11:00~) ※営業時間変更の場合あり、詳しくはお店のSNSを確認
  • 定休日 水・木曜
  • 席数 15席/禁煙
  • 子供の利用 OK
  • URL https://www.instagram.com/son.slope/
この記事を書いた人
パンコーディネーター・森まゆみ

パンコーディネーター(日本パンコーディネーター協会認定パンコーディネーターアドバンス)

“パンと人を繋ぐ”をテーマにパンと共にあるライフスタイルを提案。
パンイベントの企画・コーディネート、ベーカリーアドバイザーとして活動の場を広げる。
パンとその背景にある様々を取材し、専門誌・テレビ・ラジオ・雑誌などの媒体でパン情報を発信。
消費者向けパン講座「もっとおいしいパン生活」「森まゆみのおいしいパン案内」講師

(株)パンニュース社(東京)ライター。
パンに関するコラムの執筆、講演。

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