さっぽろカフェ連載(45)/cafe スロープ
高台にある小さなベーカリー&カフェ
お店の前の急な坂道にわくわくする。
藻岩山麓通りから少しはずれた閑静な住宅街の高台にあり、わざわざ行く感じもいい。
「cafeスロープ」といえば、札幌のパン好きなら知らない人はいないベーカリー&カフェ。札幌軟石の薪窯で焼き上げるパンが自慢だ。
仕事柄いろんなお店のパンを食べるけれど、たまに猛烈に食べたくなるあの味。
ほんのり甘くて、焼いたときの香ばしさがたまらないあの味。
パンを食べているのに、なんだかごはんを食べている気持ちになるあの味……。
伊藤さん(パン担当)と、田頭さん(あんこ担当)が築60年の住宅をリノベーションして、この場所にお店がオープンしたのは2015年のこと。
1階はキッチンと、テイクアウトが購入できる物販スペースになっていて、2階がイートインスペースになっている。
素朴さとおしゃれさが程よい感じのインテリア。
よそゆきではなくて、友だちのおうちへお茶をしに行くような気軽さもいい。
裏山の木立を眺めつつ、遠くに市街を一望できるロケーションも最高だ。
毎日食べたい食パン「マーチ」
こちらを訪れたらやっぱりトースト。
お米のピューレを加えた看板商品、食パンの「マーチ」を使った「バタートースト」は一度食べてもらいたい逸品。
表面はカリッと、どこかお餅のような香ばしさを纏っていて、中はモチモチ。噛むとじゅわっと広がる、たっぷり染み込んだバターの背徳感もたまらない。
私は粒あんを添えた「バターあんこ」がお気に入り。
もともと「あんこが苦手だった」という田頭さんが炊く粒あんはシンプルで、程よい甘さの中にしっかり豆の味が活きている。
ほかにもアップルパイを思わせるスイーツ系や、チーズたっぷりのお食事系も揃うので、軽食にもおやつにもぴったり。
またオリジナルブレンドコーヒーは3種類あって、どちらも毎日飲みたくなるような飽きのこない味わい。
パンとの相性は言うまでもなく、一緒に楽しむのがおすすめだ。
果実感を丸ごと味わうかき氷にうっとり
そして夏限定のお楽しみは、フルーツの果肉感をしっかり残した自家製シロップのかき氷。
思いきりシロップを楽しめる部分と、スッと溶けていく淡雪のような氷のみずみずしさ、その両方を堪能できる。
とにかく氷とシロップのバランスが絶妙なのだ。
秋口まで提供しているそうなので、気になる方はお早めにどうぞ。
帰り際、「マーチ」を買った。
家に着いたら袋を開けて、まずは耳のところに鼻をくっつけ深呼吸……。ああ、なんていい香りなの(お行儀が悪いとわかっていてもやめられない)。
明日の朝このパンが待っていると思うと、起きるのがちょっと楽しみになる。
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店名
カフェ スロープcafe スロープ
- TEL 011-676-7138
- 住所 北海道札幌市中央区円山西町7丁目7-7
- アクセス バス円山西町2丁目停より約7分
- 駐車場 あり/3台・無料
- 営業時間 12:00~18:00(パン販売は11:00~) ※営業時間変更の場合あり、詳しくはお店のSNSを確認
- 定休日 水・木曜
- 席数 15席/禁煙
- 子供の利用 OK
- URL https://www.instagram.com/son.slope/