さっぽろカフェ連載(46)/定山渓甘味処 もくじ
日々の喧騒を忘れて楽しむ甘味処
札幌市中心部から車を走らせること1時間足らず。
緑豊かな景色と険しい山々を眺め、定山渓温泉へと向かうトンネルを抜けるとお店はもうすぐそこ。
「定山渓甘味処 もくじ」はこの夏にオープンしたばかりで、人気ベーカリー「ふわもち邸」とも姉妹店。
「温泉街から程近い場所へお店を開くなら、やはり和の甘味処がいいのでは」と、
看板メニューには白玉だんごを据えたそう。
情緒ある古い民家の趣を残した空間には、木彫りの熊の置物や年代物の家具が並び、初めて訪れてもどこか懐かしい雰囲気。
札幌市内にありながら、旅気分を思いきり楽しめるのも魅力のひとつだ。
大きな白玉だんごは新食感
大きなサイズが話題の白玉だんごは、ちょうど人差し指と親指とで作った丸くらいの大きさ。
北海道産の米粉と熊本産の白玉粉をブレンドし、
一番美味しい状態で提供するため、オーダーごとに茹でたてを提供してくれる。
まだほんのり温かいだんごは表面はつるりとしてなめらか、噛めばふわふわ&モチモチ。
誰にでもになじみがある白玉だんごだけれど、
同店のものを口にすれば、きっとみんな最初にその食感に驚く。
添えられた粒あんの小豆や、香りと風味にこだわったきな粉は十勝産を使用。
自家製黒蜜には沖縄県産の黒糖を使うなど、食材はどれも選りすぐり、
奇をてらわず、シンプルに。
ほかにも宇治抹茶やほうじ茶をたっぷり練り込んだひと品もあり、
迷ってしまうことうけあい。
気の置けない仲間や家族とシェアしてもいろいろ楽しめそうだ。
一度に多彩な味わいを愉しみたいなら、一日10食限定の「フルーツあんみつ」もいい。
みずみずしくプリッとした寒天、
たっぷりあしらった季節のフルーツやバニラアイス、甘酸っぱいあんず、ふっくら炊いたお豆など、バリエーションに富んだ味わいのハーモニーに思わず頬がゆるむ。
またイートインは、メニューにドリンクと漬物がつくのもうれしいところ。洋菓子とはまた違う、ほっと肩の力が抜ける和やかさがある。
旅の楽しみをお持ち帰り
場所柄ドライブのおともに買い求めるゲストも多いそうで、テイクアウトも多彩に用意しているが、
中でもおすすめは「白玉金太郎最中」。
その名の通り、金太郎をモチーフにしたパリッと香ばしいモナカの皮に、
たっぷりの粒あん、茹でたての白玉だんごを挟んでボリュームもたっぷり。
おみやげにするより、できたてをすぐに思いきり頬張ってほしいひと品である。
素朴な茶屋を思わせる1階席のほか、子ども連れのファミリーなら靴を脱いで上がる2階席が利用しやすい。自宅のようにくつろぎながら、のんびりと味わおう。
poroco編集部を経て、フリーランスエディター&ライターとして独立。北海道を拠点に飲食や観光など、楽しくておいしい記事を執筆。毎月のporocoでも活躍中!
小澤 和歌子が書いた記事はこちら