今月のオススメの映画 『おしゃべりな写真館』
十勝平野の北部、鹿追町を舞台にした映画
porocoのシネマコーナー担当の編集部OMです。誌面には入りきらなかったオススメの映画を、不定期に発信しています。
鹿追町を中心に十勝で撮影された映画「おしゃべりな写真館」をご紹介します。
2月に帯広で先行上映され、3/29から道内でも公開がスタートになりました。心に傷を持つ中学生の女の子👧と、目に病を抱えてしまった写真家📸との人間模様が描いた、心温まる物語です。
亡き義父の遺言をきっかけに、写真館へやってくる
【あらすじ】
北海道の十勝平野の北部、鹿追町に100年近い歴史のある写真館が建っている。三代目の三國勘太郎(橋爪功)が亡くなり、誰も住む人のいない写真館に、2年前に亡くなった娘・敬子(賀来千香子)の夫、フォトグラファーの松原雄二(中原丈雄)がやってくる。
緑内障となり失意の雄二のもとへ、「写真館を譲る」と勘太郎の遺書が届いたからだった。
麻衣の里親となった雄二と、二人暮らしが始まる
妻の故郷である鹿追町へ、写真館を処分するつもりでやって来たのだが、周りに広がる大自然に触れるうちに、離れづらくなっていく。
冬のある日、雪の中で動けなくなっている少女・吉本麻衣(山木雪羽那)を見つけ、助ける雄二。麻衣は、京都から山村留学生としてこの地へ来ていた中学生だった。あることをきっかけに、心に傷を持つ麻衣の里親になった雄二。写真館で、麻衣との二人暮らしが始まった。
二人が暮らす写真館に、幽霊となった義父の勘太郎と、妻の敬子が突然現れる。二人の存在に気が付いて思わず驚く麻衣。実は、麻衣には幽霊が見えて会話できる能力があったのだ。
勘太郎は、死ぬまでに町の人々の写真集を作るという計画を秘かに遺していた。雄二の目の病に気が付かない勘太郎は、麻衣に協力してもらい、雄二に写真を撮らせようとするのだが……。
圧倒される、雄大な自然の美しさ
雄二は目の病を、麻衣は心の傷を誰にも打ち明けずに日々を過ごしていく……。そんな二人を見守る勘太郎と敬子。それぞれ伝えたい思いがあるけれど、既にこの世を去った身にはどうすることもできない。
もどかしいほど、互いを思いやる4人の心の優しさと、町民との交流を通して人々の温かい気持ちが十分に伝わってくる映画です。
そして、シーンの背景にある雄大な自然がとにかく美しい!!十勝は何度も訪れて知っている土地だけれど、捉える人(映画)によってこれほどまでに新鮮に映し出されるのだと驚きました。四季折々の変化も楽しめます。
実際に、鹿追町では「自然体験留学センター」というものが存在します。そのほか「山村留学」を実施している市町村は、道内にいくつかあるそうです。映画のお話だけではなく、豊かで美しい自然がある町ならば、成長を促すだけでなく心身も癒されると思いました。映画は、笑いもあれば、所々泣かされてしまったシーンも。鑑賞後は、何かと気難しいことが多い世の中だけど、この物語のように人と向き合って交流する気持ちの温かさを大切にしたいと思いました。
秋に全国での公開が予定されているそうですが、ひと足先に道内各地でただいま上映中!ぜひ足を運んでみてくださいね。
札幌シネマフロンティア、イオンシネマ旭川駅前、イオンシネマ小樽、イオンシネマ江別、イオンシネマ北見、イオンシネマ釧路にて公開中。
【監督】藤嘉行 【原案」福島三郎 【脚本】 森ゆかり
【キャスト】中原丈雄、山木雪羽那、小宮孝泰、中川和恵、なすび、橋爪渓、水町レイコ、上地慶、勝部演之、谷川清美、賀来千香子、橋爪功ほか
【上映時間】2時間
【公式サイト】「おしゃべりな写真館」
「美味しい」という日本語は奥深く・・・。もし同じものを家族が作ったら美味しい!と評価する味、普段自分一人で食すには十分な好みの味、 人にオススメしたい味、衝撃的に自分の記憶に残る味etc。庶民的なものからプチ贅沢なものまで、幅広く食べ歩きをしています。
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