さっぽろカフェ連載(9)/喫茶ロア
札幌きっての老舗喫茶店
札幌にはコーヒーの名店がたくさんあるが、こちらのお店は特別。60年以上の歴史を持つ正統派喫茶店だ。
1958年創業で、現在の場所へ移転したのは1967年に陶管ビルが完成したときのこと。
外の喧騒が嘘のように、静かに広がるゆったりとした空間にはジャズが流れ、ほのかな明かりを灯すライト、重厚な家具をゆったりと配置。昭和の趣をいまに残すラグジュアリーな雰囲気はなんともロマンチックだ。
本格的な味わいを気軽に
自家焙煎コーヒーの先駆け的なお店としても知られる同店。1年ほど前に先代のマスターが体調を崩されたことをきっかけに一度閉店したものの、現在はオーナーが代わり、新たなスタートをきった。
メニューも一部リニューアルしたが、看板メニューの「ビーフシチュー」は健在。崩れるほどに煮込まれたやわらかな牛肉と、丁寧に下ごしらえされた野菜がごろごろと入って、食べごたえも抜群!
街ナカのオアシス
食事をしっかり摂っても、やっぱり食べたくなるのが甘いもの。コーヒーと合わせて楽しみたいケーキは、札幌のスイーツショップ「ろまん亭」のものを提供している。同店の客層と同様に、幅広いゲストから愛される定番のものをラインナップ。
百貨店などもすぐそばのエリアなので、ショッピングの合間にほっと一息つくのにもおすすめ。
これからも紡がれていく歴史
私はこちらへ訪れるとき、たいてい入口から一番奥のソファ席に座る。友だちと内緒話をするときも、一人で本を読むときも、そっと包まれるような感じがしてとても心地がいいのだ。
美味しいコーヒーと、フレンドリーで和やかな接客。時代とともに変化をしながら「喫茶 ロア」の輝きはこれからも続いていくことだろう。
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