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【たすけてドクター】099.甲状腺機能障害とは?
2018年8月1日

甲状腺機能障害とは?

Q. 甲状腺機能障害について教えてください。また、治療法とはどのようなものですか?
(39歳・会社員)

A.  甲状腺の疾患は女性に多いものです。今回はそれについて簡単にお話をしましょう。

 甲状腺とは、首の前面部にあり、馬のひづめやアルファベットのHに似た形をしています。15~20gほどの小さな器官で、普通は外から触れることができません。

 一体何をしている器官かといいますと、ホルモンを作り、体内に排出しているのです。そもそも“腺”というものは生体に必要な物質を作り、排出する組織のことをいいます。汗腺は汗を出しているのはご存知のとおりですが、汗は外側に排出されますので「外分泌」といいます。これに対し、体内に生成物質が排出されることを「内分泌」と呼びます。甲状腺ホルモンはこの器官を通じて、血液中に分泌されるわけですネ。

 では、この甲状腺ホルモンは、私たちの身体にどのような作用を引き起こしているのでしょうか。我々の体は日々栄養を取り入れ、これをエネルギー源として生命活動をおこないながら、老廃物を外に出すことによって細胞を若返らせています。これを「新陳代謝」といいますが、甲状腺ホルモンはまさにこの新陳代謝に関わっているのです。  甲状腺の病気には大きく分けて2つあり、機能が亢進するものと低下するものとがあります。

 機能亢進の代表は「バセドー氏病」です。これは甲状腺を過剰に刺激するタンパク質(自己抗体といいます)ができることによって、甲状腺がホルモンをたくさん作り出してしまい、その結果、新陳代謝が亢進状態になるわけですネ。例えるなら、蒸気機関車が石炭を過剰に消費して猛スピードで突っ走っている状態と一緒です。食事量が多い割にはどんどん痩せていきますし、疲れやすくなる、動悸や発汗が起こる、イライラする、手が震えるなどの症状が出ます。高齢者にはあまり発症しませんが、“目が飛び出てくる”という症状も有名なものです。これが発症すると、甲状腺は腫れて大きくなります。

 機能低下の方は症例がいろいろとありますが、臨床上よく見られるのは「橋本病」です。これもやはり自己抗体ができて(亢進の場合の自己抗体とは別の抗体です)、それによって甲状腺が攻撃を受けて破壊されてしまうことから、ホルモンが作れなくなり、新陳代謝が低下してしまうのです。症状としては、元気がない、疲れやすい、身体が寒く感じる、むくみによる体重増加、脱力感、白髪、脱毛、しわがれ声、筋力低下などがあり、老化現象のようにも見えます。軽症のうちは症状がはっきり現れないこともあるため、血液検査で初めて見つかることもあります。

 治療法は、亢進症であれば普通は甲状腺の働きを抑える薬を飲みます。大きく分けて2種類ありますが、その中の1つは妊娠期に服用しても大丈夫なものです。低下症の方は甲状腺ホルモン製剤を飲みますが、通常、医師から服用を止められるまで、ずーっと飲み続けなければいけません。治ったと思って自己判断で薬を止めてしまうのは禁物です。甲状腺機能は妊娠の継続に重要な役割を担っているので、特に機能低下症の場合には、妊娠初期に赤ちゃんへの薬の影響を気遣い、勝手に飲むのを止めてしまうと流産してしまうことがあります。

 どちらにせよ、治療法は確立していますので難しい病気ではありませんが、専門家のもとでしっかりフォローすることが大切です。血液検査ではっきりしますので、今お話したような症状があれば、内科を訪ねてみてください。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

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