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【たすけてドクター】141. 更年期障害は早い人だと何歳から?具体的な症状とは?

2018年8月1日

更年期障害は早い人だと何歳から? 具体的な症状とは?

Q. 30代からの「更年期障害」は、早い人だと何歳から始まるのでしょうか? わかりやすいものとして、どのような症状がありますか?
(31歳・会社員)

A.  若い人の更年期については、“若年性更年期障害”なる言葉もあり、年齢的に広く認知されてきているようですが、実は難しい問題です。ちなみに、“若年性更年期障害”という正式な医学用語はありません。

 

 更年期障害は、閉経が近くなり卵巣の機能が落ちてきて、エストロゲンという女性ホルモンの分泌がキチンとなされなくなったときに出てくる「自律神経失調症状」のことを言います。平均的な女性は49~50歳で閉経を迎えますので、教科書的には閉経の5年前後、すなわち45歳から55歳くらいまでを「更年期」と言います。この「更」という字は“改める”という意味で、壮年期から老年期へと時代が変わる時期、言ってみれば橋渡しの時期ということです。


   しかし、45歳になったらスイッチが入るように更年期が始まり、55歳になるとすぐ終わるのでしょうか? 決してそうではありません。早い人は40歳前半で閉経を迎える場合もありますから、その頃に更年期障害の症状が出ることもあるでしょう。しかし55歳を過ぎても生理がある人はいますので、そのような場合は50歳になっても症状が何もないということもよくあります。

 

   では、30代で更年期障害はあり得るのでしょうか。仮にこの年齢で閉経になったのであれば症状は出るかもしれませんが、一時的に生理が止まることはあっても、卵巣機能が低下して永久に終止してしまうことはほとんどありません。もしあれば、「早発性卵巣機能不全」ないしは「早発閉経」ということになります。したがって、ごく一部の女性が早期に卵巣機能が減弱して更年期障害を発症することはあり得ますが、ほとんどないと言って良いでしょう。生理が一時的に停止しているのか、閉経してしまったのかは血液中の種々のホルモンの値を見ればわかります。

 

   更年期障害の症状として最もポピュラーなものは、ほてりと汗です。とくに上半身あるいは首から上に出ますが、典型例では特に汗をかくようなことをしていないのに、ほてりに伴って流れるほどの汗が顔に出ます。あとは、気分の落ち込みです。家事をするのが億劫で体が動かない、外出が面倒だ、人と会って話をするのがイヤだ、物事に対して意欲が湧かない、寝入りが悪い、すぐに目が覚める、食欲がない、など「抑うつ状態」の症状が現れます。このほか、肩こり、目が疲れやすい、手足のしびれ感など雑多なものがあります。

 

   このような症状は、更年期前の年齢でも起こりうるものですが、ホルモン値を確認して卵巣機能の低下がなければ更年期障害とは言えません。しかし、「自律神経失調症」とは言えますので、それに対してお薬やカウンセリングなどの治療をおこないます。抑うつ状態が強ければ、抗うつ薬など精神に効くお薬を使うこともあります。


   結論としては、何か不調な症状が出てきたら、ご自身の判断で「更年期障害」などとは考えずに、産婦人科や心療内科などのクリニックを受診されるのが1番だと思います。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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