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【たすけてドクター】028. 漢方は本当に効く?

2018年8月1日

漢方は本当に効く?

過食症で生理がこない

Q. 冷え性や体調不良のとき、最近興味があるのは漢方薬。本当に体質改善はできるのでしょうか? また初めて飲む場合は、薬局と病院のどちらに行けばいいのかを知りたいです。
(31歳・会社員)

A. 漢方薬が得意とする分野は、症状が漠然としていてはっきりとした原因がわからないもの、症状はあるのに病院で調べても何も異常がないもの、西洋医学的な治療が効果のないものなどですが、女性に多い「冷え性」は特に漢方が適用となる分野です。

 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)が代表的な漢方薬ですが、ほかにも多くの薬があります。この方剤の選定は症状だけで決まることもありますが、厳密には東洋医学的に患者さんの症状を把握して(問診のほかに脈や舌を見たり、おなかを診察したりします)、どのような漢方薬が合っているかを決定します。

 この診断の結果を「証」といい、漢方医学では非常に重要な概念です。同じ症状でも個人によってこの「証」が異なるので、使う漢方薬も違ってきます。ただ「証」の決定は難しく、相当のベテランの漢方医でもうまくいかないことがあります。



 さて、「体質改善は本当にできるのでしょうか?」という質問ですが、これは「漢方薬は本当に効くのでしょうか」ということになると思います。「証」が正しく把握されていれば、その漢方薬は効いて体質改善がなされるはずです。正しくない「証」のために間違った漢方薬が処方されれば、効果はないでしょう。効くか効かないかは、けっきょく「『証』が正しくとらえられますか。その能力が医師や薬剤師にありますか」ということなのですネ。

 あともう1つの問題は、漢方薬自体にあります。現在、保険で簡単に処方できる漢方薬は「医療用漢方製剤」といって約150ほどあり、粉末になって飲みやすくなっています。普通の病院やクリニックで出されるのは、この150処方のどれかです。

 しかし、この範囲内の漢方薬だけで、訴えている症状に必ずしも対応できるとは限らないわけですネ。実際の漢方薬は2万処方ぐらいあると言われており、症状によってはこの150のほかに薬を求めなければならない、ということもあり得ますが、生薬を処方しなければならないため、普通の病院では無理です(札幌では牧田病院と諸岡内科クリニック※で生薬処方が可能です)。

 まとめると、"漢方に対してしっかりした能力を持った医師か薬剤師に処方してもらえばよい"ということです。ただし、薬剤師から処方してもらう(つまり薬局で直接買う)場合には、診察料はかからないかわりに保険はききません。

 

※牧田病院 札幌市北区新琴似1-2 011-761-4835 
 諸岡内科クリニック 札幌市北区北8西4-1-1 パストラルビルN8・1F 011-700-1122

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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