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【たすけてドクター】159. 閉経が近いと診断されたけど、何もしなくてもいいの?

2018年8月1日

閉経が近いと診断されたけど、何もしなくてもいいの?

Q.  5ヶ月生理がなく、婦人科で「あと1ヶ月生理がないと閉経です。少し早めですが問題はなく、特に治療法もありません。更年期ですが更年期障害ではないので大丈夫です」と言われました。このまま何もせずにいてよいのでしょうか?
ホルモンバランスが崩れてしまうのでしょうか? 何か補うためのサプリメントが必要でしょうか?
(46歳・女性)

6ヶ月生理がなければ閉経の可能性は高い
 46歳の方が「閉経が近い」と言われたとのことですが、年齢的には確かに更年期ですし、閉経自体は加齢に伴うものですべての女性に訪れるものですから、そのドクターは「問題はない」とお話したのでしょう。更年期に入っても症状がなければ、薬を出さないのが普通です。
  閉経か否かについては、普通は1年間生理がなければ閉経を迎えたかナ、と考えますが、6ヶ月なければ、閉経の可能性はかなりあると考え、ホルモンの値を調べて背景を探るか、そのまま様子を見るかします。平均の閉経年齢は49~50歳なので、ご質問の方は少々早い方でしょうか。

 

更年期に入ると体の失調が出やすくなる
 問題は、閉経は誰にでも来るからといって、そのままにしておいていいのか、ということです。更年期に入ると卵巣から出る女性ホルモンが低下してきて、閉経後はほとんど分泌されなくなります。そうすると上半身や顔に火照りやのぼせが出たり、汗をかいたりします。そのほか、動悸やめまい、落ち込み、不安感などの精神症状が出ることもあります。
  これは、更年期にさしかかる時期に、お子さんの巣立ちや結婚、両親の病気や世話、夫の仕事の問題(仕事が忙しく帰りが遅い、会社のリストラや倒産など)といった家庭や社会的なストレスがちょうど出て来るのに加えて、女性ホルモンの低下という生理的な変化も重なるので、体の失調が出やすくなるわけです。

骨粗鬆症や高脂血症にも注意
 こうした、「自覚できる」症状に加えて「自覚できない」症状もあります。それは、骨量の低下とコレステロールの上昇です。もちろんこれらは進むと骨折が起きやすくなったり、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気になりますが、それは最後の段階であって、自覚症状のないうちにこのような病気にならないように気をつけることが大切なのです。女性ホルモンは骨を丈夫にし、コレステロールの上昇を防ぐ働きもありますので、閉経後は骨粗鬆症や高脂血症が進みやすくなります。

 

更年期の症状がなくても検査はしておくのがベター
 まとめますと、閉経期に入り生理が止まるのは加齢に伴う変化ですから、ある意味仕方がないのですが、それに付随していろいろな問題が出て来ますので、ほてりや動悸などの身体症状、イライラや落ち込みなどの精神症状、そして、まだ自覚症状のない段階での骨量の減少やコレステロールの上昇は検査で把握して、必要であれば、投薬を開始することが重要なのです。
  その治療法ですが、更年期障害は基本的に女性ホルモンの低下が引き金になって起きるものですから、女性ホルモンを外から補充してあげればいいことになります。このホルモン補充療法が普通に行われている中心的な方法で、ほてり、発汗にはよく効きますし、骨量も増えます。しかし、万能ではありませんしプラスマイナスもいろいろあります。
  その他、よく使われるのが漢方薬ですが、うまく使うとホルモン補充療法では治らない症状も取れることがあります。また、落ち込みやイライラなどの精神症状には、やはり抗うつ薬や抗不安薬を用いた方がいい場合もあります。
  理想的には、更年期の症状が仮になくても、子宮がん検診(頸部、体部)を含めていろいろ検査だけはしておいた方がいいでしょう。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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