【たすけてドクター】172. 子宮頸ガンに一度かかってしまった人でも、ワクチン接種は有効なのでしょうか?

子宮頸ガンに一度かかってしまった人でも、ワクチン接種は有効なのでしょうか?
2年ほど前に、子宮頸ガンの検診で異常が見つかり、高度異形成の段階・・レーザー円錐切除術で手術し、完治しました。 今では検診にひっかかることはありません。 一度、子宮頸ガンにかかった人や、なりかけた人でも、ワクチン接種は有効なのでしょうか?
(34歳・女性)
A.
子宮頸ガンはウイルス性のガン・インフルエンザなどと同じく、抗体を作っておけばある程度は予防可能
最近になってようやく、子宮頸ガンのワクチン接種ができるようになりました。 子宮頸ガンは、パピローマウイルスによって起こる感染性のガンで、インフルエンザなどと同じく、あらかじめ抗体を作っておけば、 ある程度は予防することができるものです。 このパピローマウイルスは100種類ほどあり、皮膚にイボを作る良性のものから、ガンを形成する悪性のものまで様々です。 比較的知られている『尖圭(せんけい)コンジローム』という外陰部にイボができる性病も、このウイルス(良性の方です)が原因です。
ガンを作るパピローマウイルスは15種類ほどありますが、16型と18型の2種類のみで、すべての子宮頚ガンの70%を占めると言われています。 今回接種できるようになったワクチンはこの2種類のウイルスに対して予防効果を発揮しますが、残りの30%の頚ガンについては他のウイルスが原因となるため、このワクチンで防ぐことはできません。
ご質問の方はごく初期の頚ガンであったために、子宮の入り口の病巣の部分をくりぬく手術をされたのだと思いますが、今後も念のために子宮ガン検診は受け続けなければなりません。 そのような方にも頚ガンワクチンは有効です。ご希望であれば、あらかじめ電話で確認後、産婦人科を受診なさって下さい。
ワクチン接種の有効性は高いけれど、保険がきかないので料金は高いのが難点
難点は、保険がきかないので料金が高いことです。 半年の間に3回の接種が必要ですが、全部で5万円弱かかります。 施設によって少々の上下はあります。