注目の図書館「こども本の森 札幌・北大」OPEN!

ライフスタイル 2026年8月19日

北海道大学構内にできた新たな図書館

緩やかにカーブを描いた建物。木の根に配慮し、地上から浮いた構造になっている。
緩やかにカーブを描いた建物。木の根に配慮し、地上から浮いた構造になっている。

北海道大学の広大なキャンパス内、豊かな木々が風にそよぐ一角に、子どもたちの読書体験と好奇心をどこまでも広げてくれる新たな拠点が誕生しました。

世界的建築家・安藤忠雄氏の強い想いから生まれたこの施設は、全国で6番目となる「こども本の森」。北海道の豊かな自然と最高峰の学術環境がとけ合う、これまでにない新しい図書館です。

名誉館長には漫画家・文筆家・画家として活躍するヤマザキマリさんが就任したことでも話題に!

 

「こども本の森」プロジェクトは、「未来を担う子どもたちに、たくさんの本と出会い、豊かな感性と想像力を育んでほしい」という安藤氏の熱い願いからスタート。そのため安藤氏が自身の私財を投じ、建物を寄贈する形で全国各地にこの施設を展開しています。本を保管して貸し出す従来の図書館とは異なり、美しい建築の中で五感を刺激されながら、本と出合う「体験型の知の森」を目指しています。



自然と建築が調和するデザイン

木立の中に自然と佇む。
木立の中に自然と佇む。
国立大学の中に建つ公立図書館は全国的にも珍しい試み。
国立大学の中に建つ公立図書館は全国的にも珍しい試み。

上空から見下ろすとまるでアメーバのようにカーブを描いた形。安藤忠雄氏の代表的な建築スタイルである直線的なコンクリート構造とは一線を画す、曲線主体のやわらかなデザインです。建物内にも直線がほとんど存在せず、どこを歩いても木のぬくもりと流れるような空間の広がりを感じられます。

既存の樹木たちの根を傷つけないよう、根のすき間を縫うように杭が打たれ、その杭の上に床を設置。建物全体が宙に浮く構造に。また建物を支える構造が本棚そのものの一部にもなっています。

 

ちなみにこの本棚は、上に向かって広がっていく設計。

見上げたときにより本に圧倒され、包まれるような、ドラマチックな視覚体験を演出しています。



従来の分類にとらわれない配置にワクワク!

児童書だけでなく、アートブックや専門書などもずらり!蔵書は約15,000冊あり、そのうち4,000冊ほどは一般の方からの寄贈によるもの。
児童書だけでなく、アートブックや専門書などもずらり!蔵書は約15,000冊あり、そのうち4,000冊ほどは一般の方からの寄贈によるもの。

利用者が関心を持つ「「テーマ」ごとにまとめて並べる「テーマ別配架」を採用。ブックディレクターの幅允孝氏の助言のもと、専門の司書たちが工夫を凝らして選書・配架を行っています。

大テーマ・中テーマ・小テーマで組み上げられた棚は、ただ見ているだけでもワクワク。

テーマ別なので、絵本のすぐ隣に学術書や専門書が並んでいるのも特徴的です。

表紙を正面に向け、美しいイラストや印象的なタイトルの本が壁一面にズラリと並ぶ光景は圧巻!

手にとってみたくなる魅惑的な上段の本と同じものが、子どもたちの手が届く下段の棚に別途用意されているため、気になったらすぐにページをめくることができます。

また大学構内にある図書館らしく、小中学生をメインターゲットにしつつも、大人や研究者まで楽しめる奥深い蔵書が揃っています。

 

例えば……

外国語の本:様々な国の絵本やアートブックなど、世界の文化や芸術に触れられます。

マンガ:学習漫画のほか、不朽の名作から最近の話題作まで、各テーマに沿ったマンガが並んでいます。

ほかにも、北海道大学に関連した本を並べた「知の森へ in 北大」や、北海道大学の教授や研究者がおすすめの本を紹介する「まなびの窓」など、子どもたちはもとより、大人の知的好奇心も刺激してくれます。

ここにしかない読書体験

考古学にまつわるコーナー。
考古学にまつわるコーナー。
旭川家具の木のぬくもりも心地いい空間。
旭川家具の木のぬくもりも心地いい空間。

館内には、上質な旭川家具の木製テーブルとイスを配置。自然光が射し込む空間で過ごす時間は贅沢なひとときです。

通常の図書貸し出しは行っていませんが、なんと北海道大学の構内であれば自由に本を持ち出して読むことが可能。広大なキャンパスに広がる芝生の上や、小川のせせらぎの側でレジャーシートを広げて読書を楽しむ……、そんな「自然と一体になる読書体験」ができるのは、ここならではの大きな魅力です。

個人的には図鑑を持ち出して、実際の生きものや植物を探すのも楽しそうだなと思いました!





名誉館長にはヤマザキマリさんが就任!

名誉館長に就任したヤマザキマリさん。実はporoco創刊から間もないころにエッセイの連載をされていました!
名誉館長に就任したヤマザキマリさん。実はporoco創刊から間もないころにエッセイの連載をされていました!

名誉館長に就任したのは「テルマエ・ロマエ」などの代表作で知られる漫画家・文筆家・画家であるヤマザキマリさん

17歳で単身イタリアへ渡り美術史を修めた波乱万丈な経歴を持ちますが、その豊かな感性と自由な発想の礎には、幼少期を過ごした北海道での「本」と「自然」との出合いがありました。

 

北海道大学でイタリア語講師を務めた経験もあるヤマザキさん。

北大キャンパスの豊かな大自然の中に「こども本の森 札幌・北大」が誕生するにあたり、名誉館長への就任を快諾。「幼少期に、親が不在がちだった自分を支えてくれたのは近所の図書館だった。今の自分があるのは本のおかげ。本と北海道の自然への恩返しとして引き受けた」と語りました。

 

 



オープニングに合わせて北大の小林快次教授とヤマザキさんのトークイベントも。
オープニングに合わせて北大の小林快次教授とヤマザキさんのトークイベントも。
お二人が選んだ本は「こども本の森 札幌・北大」にも並んでいます。
お二人が選んだ本は「こども本の森 札幌・北大」にも並んでいます。

施設のオープニングに合わせてトークイベントも開催!

日本の恐竜研究の第一人者でもある北大教授の小林快次さんとともに、オススメの本や本との付き合い方などを交え、楽しい時間が流れました。

「本を読むことで、日常の悩みがちっぽけに思えたり、世界には多様な生き方があることに気づくことができる」とヤマザキさん。

 

世代や国籍を問わず、誰もが楽しめる「本の森」を訪れれば、新たな発見があるかもしれません。

 

利用は時間帯ごとの定員制、1回60名(事前予約枠40名・予約なし枠20名)の完全入れ替え制。

 

蓋付きのパッケージなら飲みものも持ち込みOKなので、開放的な空間で、ゆったり本と向き合ってみては?

※記載価格はすべて税込です。

※掲載情報は取材時点のものです。施設内容やメニューなどは変更になる場合があります。

SHOP INFO
  • 店名
    コドモホンノモリ サッポロホクダイ
    こども本の森 札幌・北大
  • TEL 011-788-8700
  • 住所 札幌市北区北8条西6丁目北海道大学構内
  • アクセス JR札幌駅北口より約10分
  • 駐車場 なし
  • 営業時間 10:00〜18:00 ※利用は時間帯ごとの定員制、1回60名(事前予約枠40名・予約なし枠20名)の完全入れ替え制
  • 定休日 第2第4水曜日、年末年始、蔵書一斉点検期間など
  • URL https://www.instagram.com/honnomori_sh/
この記事を書いた人
小澤和歌子

編集者&文筆家。札幌を中心に暮らしやグルメについて取材・執筆を行なう。

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