さっぽろカフェ連載(18)/円豆珈琲
店主の“好き”を集めたカフェ
自家焙煎の豆やオリジナルスイーツに力を入れるカフェが増えてから久しい札幌において、あくまでプロから仕入れる“とっておきの逸品”を揃えるお店というのはかえって珍しいのかもしれない。
「お店でお出ししているのは、それぞれの道のスペシャリストのもの。いわゆる“物産展”じゃないですが、お客様に本物の味を楽しんでもらえれば」とはオーナーの大澤さんの言葉。
コーヒーはスペシャルティコーヒーで知られる「いわい珈琲」のオリジナルブレンド、ケーキは人気店「PATISSERIE Bliss Bliss」から仕入れている。特にケーキは他店への卸はしていないそうで、カフェで味わえるのは同店だけだ。
まるで小さなフォトギャラリー
深いブルーが印象的な店内には、カメラ用品や三脚、写真家・井上浩輝さんによる美しい北海道の風景写真といったカフェでは珍しいものが次々と目に飛び込んでくる。
西宮の沢で8年ほどカフェを営みながら、“単なる趣味”というのにはあまりにも本格的に写真活動をしていた大澤さん。
「もっと写真にまつわる活動もしていきたい」と、札幌中心部へ移転してきたのは'18年秋のこと。お店の名前や規模、コンセプトを丸ごと変えて、この場所で再スタートをきった。
終日楽しめる熟成カレー
カレーは鹿児島では知られた専門店「薩摩剛家」のルータイプを提供している。
大量のリンゴやバナナ、玉ねぎ、25種類のスパイスを使う本格派で、ほんのりとした甘さと個性的なスパイスの風味がクセになる。一番人気は「唐揚げカレー」。営業時間内はいつでも食べられるので、ランチはもちろん、夜ごはんにもおすすめ。
実はアルコールも豊富に取り揃え、ビールや道産ウイスキー、ワインで軽く一杯……といった使い方もできそうだ。仕事帰りにふらりと立ち寄って、一日の締めくくりにのんびり過ごしたい。
香り豊かなコーヒーを片手に過ごす
コーヒーが苦手な人にも飲みやすい「円豆ブレンド」はフレンチプレスで供される。スペシャルティコーヒーの要ともいえるコーヒーオイルもまるごといただけるので、風味が際立つうえ、たっぷり1.5杯分。
希望があればドリップでも淹れてくれるそうなので、気軽にたずねてみよう。
小鳥が翼を休める枝先のように、忙しい日々の中でホッと一息つける居心地のよさがある。
ゲストの暮らしにとけ込んだ懐の深い一軒。
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店名
マルマメコーヒー円豆珈琲
- TEL 011-215-7563
- 住所 北海道札幌市中央区南1条西18丁目1-13 キャトルセゾン1F
- アクセス 地下鉄西18丁目駅2番出口より約2分
- 駐車場 1台
- 営業時間 12:00~23:00(日曜、祝日~21:00、SNSで確認)
- 定休日 月曜(祝日の場合営業、翌火曜休)
- 料金目安 「円豆ブレンド」580円
- 席数 12席/禁煙
- 子供の利用 OK
- URL https://marumame-coffee.shopinfo.jp/