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【たすけてドクター】003. よく立ちくらみを起こすのは低血圧のせい?
2018年8月1日

よく立ちくらみを起こすのは低血圧のせい?

Q. 子供の頃から低血圧だったのですが、大人になってもよく立ちくらみがしたり、貧血を起こして立っていられなくなったりすることがあります。食が細いわけではないし、会社の健康診断で血液検査の結果に問題が出たこともありませんが、なんとなく不安です。これは女性特有の症状ですか?
(26歳・会社員)

A. 貧血のお悩みを持つ女性も多いですね。貧血になると、血液が薄くなって酸素を運ぶ力が低下するため、疲れやすくなるなどの症状が出ます。

 ひと口に貧血といってもいろいろ種類があるのですが、女性の場合は生理の出血によって鉄分が失われるため、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向がありますね。

 ただし、ご質問にあるような、一般的に「貧血を起こして倒れる」とか「貧血で立ちくらみが…」とかいわれる症状は、正確には「貧血」とはチョット違います。これは「脳虚血(きょけつ)」というもの。血液の濃さは正常でも、何かの原因で脳の中の血流そのものが少なくなるために、結果としてやはり脳が酸素不足になり、めまいを起こすのです(もっとも、たまたま貧血を合併しているということはあり得るでしょうが)。もし純粋に貧血だけが理由で倒れることがあったとすれば、これはもう、ただちに輸血が必要なほど重症の貧血だと考えられます。

 では、一般的に"貧血・立ちくらみ"と呼ばれている脳の「虚血」がなぜ起こるのか考えてみましょう。

 例えば、氷嚢(ひょうのう)に水を入れたまま、上をつまんでいきなりギュッと持ち上げると、ゴムだけがビヨ~ンと伸びて、水の入った部分は下の方に取り残されてしまいますよね。同じことが人体で起こるのが虚血、つまり"立ちくらみ"です。

 急に立ち上がると、脳の上昇に血液がついていけず、脳が虚血になるのです。正常であれば、立ち上がったとき自動的に下半身の血管がギュッと収縮して脳に血液を送る(氷嚢でいうと、水の部分をギュッと握りつぶして水を上に押し上げる)のですが、この収縮がうまくいかなくて虚血になるんですね。

 長時間立っているときに起きる"貧血(と世間で一般的に呼ばれている症状)"も理由は同じ。重力に引かれて体の下の方にたまっている血液が、血管の収縮がうまくいかないために脳まで昇ることができず、虚血になるのです。

 もともと血圧の低い人は、血管が収縮しても血圧が所定の高さまで上がらないことが多く、結果的に脳の血液量が不足するために、いっそう虚血を起こしやすい、ということはいえるでしょう(ちなみに、低血圧と貧血に直接の関係はありません)。

 この自動的&反射的な血管の収縮は、自律神経によって我々の意識とは関係なく(これが自律という意味です)行われています。したがって、これがうまくいかない場合は「自律神経失調症」だということになります。

 脳から血管壁にやってきている自律神経がちゃんと働かないので、血管をうまく広げたり収縮させたりすることができないんですね。このような症状は「女性特有」というわけではなくて、男性にも女性にも見られます。

 さて、治療ですが、残念ながら「これを飲んだらバッチリ」というような西洋薬はありません。漢方薬では真武湯(シンブトウ)や苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)などが用いられます。

 今回ご説明したのは主に「虚血」についてでしたが、本当の「貧血」についても機会があればお話ししようと思います。人によっては本当に「貧血」があって、そのひとつの表れとして立ちくらみやめまいが起きているのかもしれませんから、症状が深刻な場合はお医者さんに相談してみるのが安心です。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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