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【たすけてドクター】033. 若年性更年期障害ってなに?

2018年8月1日

若年性更年期障害ってなに?

Q.  最近気になっているのは、若年性の更年期障害。詳しく教えてください。
(36歳・パート

A. 「若年性更年期障害」というのを、どうもテレビ等でやっているらしいのですが、これは正式な医学用語ではありません。簡単にいうと"更年期に出る具合の悪さが20代、30代にも出ること"を指すのでしょうが、これを更年期障害の一種といっていいのかどうか疑問が残ります。

 更年期障害とは、年齢が進んで(卵巣も老化します)、卵巣機能が低下することにより、女性ホルモンであるエストロゲンが作られなくなることが引き金で起こる症状をいいます(※1)。よって"更年期障害"というからには卵巣が働かなくなり、エストロゲンの低下があることが大前提になります。

 これは若い人の生理の乱れが、脳のホルモン中枢の不調に原因しているのとは違って(一過性であることが多い)、卵巣そのものに原因があるわけで、こちらは永続的です。

 顔が火照る、汗をかきやすい、疲れやすい、気分がすぐれない、落ち込むなど、一見更年期障害の症状に似ていても、卵巣が元気であれば(これは血液検査でわかります)、更年期障害とはいいません。

 そこで若い時期、すなわち20~30代に卵巣機能が廃絶してしまうことがあるかどうかですが、稀にあるのです。それを「早発性卵巣機能不全」といいますが、50歳前後に迎えるはずの閉経が早くきてしまうのです。そうなると自然には排卵しませんので、排卵させるための薬をいろいろ使うのですが、卵巣がほとんど反応しません。結婚している方はなかなか子供ができないということで、不妊症の領域で問題になります。

 ただ、この「早発性卵巣機能不全」はめったにない病気ですから、若い人に多くなっているという「若年性更年期障害」という病名は、医学的には「?」ですネ。先ほど述べた一時的なホルモン中枢の不調と、卵巣そのものの機能低下を同じことのように言っているのではないでしょうか。

 いずれにしても病名はともかく、具合が悪くてお困りの方はいらっしゃると思いますので、西洋医学的にも東洋医学的にも治療法はありますから、産婦人科を訪ねられるとよいと思います。

(※1)「010.更年期障害ってどんな症状?」「019.妊娠に不安があります」参照

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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