【たすけてドクター(胃腸科)】027. 頻繁にお腹が張るのが悩み。胃が痛くなることも……

頻繁にお腹が張るのが悩み。胃が痛くなることも……
Q. もともと胃腸が弱く、便秘がちなのですが、しょっちゅうお腹が張るのが悩みです。妊娠したように、ぽっこりどころではなくお腹が出ます。胃が痛くなったり、寒気がすることも。何か予防法はありますか。
(25歳・女性)
A. 食後のお腹の張りは、「胃下垂」の可能性も
いろいろな原因が考えられますが、食後にお腹が張りやすい場合は「胃下垂」の可能性もあります。女性に多いのですが、食べ物の重みによって胃が下がって、お腹がぽっこりとふくらんだようになる場合です。食べるときによく噛まずに食べたり、おしゃべりをしながら食べたりすると、空気を一緒に飲み込み更にお腹が張り、ひどくなるとゲップがでます。また、飲み込んだ空気が胃から腸に送られて、それがガスの原因の一つとなります。
「便秘」の場合もお腹が張りやすい
「便秘」のときは、お腹が張りやすいです。特に上腹部や左右の大腸の曲がり角には便やガスが溜まりやすく、お腹の張る大きな原因の一つになります。また、腸の出口のほうはS状結腸といい、腸がぐるぐる巻いたようになっています。便秘がちの人はこの部が長く、腸管の筋力も弱くなっていることが多くて、便やガスを送り出す力が弱くなっています。そして、それらが溜まると下っ腹が張ったり、痛くなったりすることがあります。
腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌に分けられる
腸には腸内細菌がおり、善玉菌と悪玉菌に分けられます。正常のときはこれらの菌がバランスよく働いているのですが、不摂生が続くと、悪玉菌が増え、その結果ガスが異常に発生して、お腹が張りやすくなります。便秘、下痢などの便通異常も起こしやすくなります。これらを予防するためには、「よく噛んでゆっくり食べる」、「三食の食事を規則正しく摂る」、「過労、ストレス、暴飲暴食を避ける」、「野菜や乳製品などを摂り、なるべく便秘させないようにする」、「適度な運動を行ない、胃腸のリズムを整える」などに努める必要があります。しかし、これらは胃腸に特別な病気がないというのが前提です。相談者の場合、いろいろな症状があるようですので、やはり一度胃腸の検査を受けることをお勧めします。