【たすけてドクター(胃腸科)】048. ショウガを食べ過ぎると胃が痛くなるのはなぜですか?

ショウガを食べ過ぎると胃が痛くなるのはなぜですか?
Q. 身体をあたためるためにショウガをよく食べるのですが、ときどき食べ過ぎたのか胃が痛くなります。どうして痛くなるのでしょうか?
(27歳・女性)
A. ショウガは身体をあたためるのに効果的で健胃成分もあるが、一度に多量摂取したり、空腹時に摂取すると、胃の粘膜を刺激する可能性がある
ショウガには「マンガン」という物質が多く含まれており、肝臓の酵素作用の活性化や骨の生成促進、虚弱体質などの体質改善に効果があるとされています。
ショウガの辛味の正体は「ジンゲロン」と「ショーガオール」という成分です。ジンゲロンは身体に適度の刺激を与え、胃の血流をよくし、胃液の分泌を盛んにし、食欲を増進させ、消化機能を高めます。また、血液循環をよくし、身体をあたため、発汗を促す作用もあります。さらに、抗菌作用もあり、食中毒を予防する効果もあります。ショーガオールには酸化防止効果があり、魚や臭みの強い料理の匂い消しにも効果的と言われています。
これらの性質を利用し、ショウガの成分は昔から漢方薬としても利用されており、健胃、嘔吐、せき、むかつきに効果があり、新陳代謝を促し、身体をあたため、冷え性、腰痛、腹痛、神経痛などにも効果があると言われています。
このような点からご質問の方が、身体をあたためるためにショウガをよく食べるということはいいことだと思います。前述しましたように、ショウガには健胃成分が含まれており、胃にはいいのですが、摂取する量が問題で、やはり適量ということが大切です。一度に多量に摂取すると、粘膜を強く刺激するため、胃痛、腰痛、下痢を起こすことがあります。また、刺激という点から言うと、空腹時にはあまり摂取しない方がいいでしょう。