さっぽろカフェ連載(20)/KINO CAFE
ミニシアターに併設する和やかなカフェ
ここが都心であることをすっかり忘れてしまいそうなほど、落ち着いた佇まい。
大きな窓から眺める街路樹。
時をためて、趣を増したインテリア。
古本と、数えきれないほどの映画パンフレット。
「KINO CAFE」の魅力について一言で説明するのはちょっと難しい。
札幌を代表するミニシアター「THEATER KINO」と隣接するこのカフェは、映画上映までの待ち時間を過ごす人や、観賞後の余韻を楽しむ人も多く、そこはかとなくアーティスティックな雰囲気が漂う。
映画とカフェのコラボメニューも好評
上映中の映画にちなんだコラボメニューも提供していて、ある日はイギリス映画に出てきた「レモンドリズルケーキ」が印象的だった。
リッチなバターケーキに、はっとするほど爽やかなレモンの酸味と苦味をたたえ、しゃりっとしたアイシングが紅茶とよく合う。
なめらかな生クリームをすくいながらひと口。
その美味しさに思わず眉毛がハの字になって、片手で頬をおさえながら、うっとりとため息が漏れる。
うれしいことに最近訪れた際にも提供していたので、食後だったけれど迷わずいただいた。
根っからの食いしん坊である私は、幼いころから主な関心事は食べることだった。
とりわけお気に入りの絵本や小説、映画に出てくる料理やおやつに魅了され、その中に出てくるホカホカのホットケーキや、お菓子の家、イチゴ水やスミレの花の砂糖漬けに夢中だった。
だから映画を観たあとに訪れる同店のワクワク感といったら言葉にならならず、休日はこのお店で過ごすことを軸に、予定を立てたりもした。
丁寧な味わいの食事も評判
さっくりとした生地が心地よいキッシュやサンドイッチは気軽な食事にぴったりだし、玄米ごはんのプレートには、メインのおかずと惣菜サラダが7〜8種類たっぷりと盛り付けられている。
どれも素材が持つ食感や五味がしっかりと感じられて、しみじみと美味しく、気持ちが整う味がする。
不安や悩みごとで心が波立つようにざわざわとするとき、
心身にやさしく元気をくれるこのカフェへと、やっぱり足が向かってしまうのだ。
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店名
シアターキノ キノ カフェシアターキノ/KINO CAFE
- TEL 011-231-9355/011-231-977
- 住所 北海道札幌市中央区南3条西6丁目3-2 南3条グランドビル2F
- アクセス 市電資生館小学校前停より約3分
- 駐車場 なし
- 営業時間 シアターキノ 9:00〜21:00/キノカフェ10:00~18:00 *LO 17:30(キノバー 18:00~24:00)
- 定休日 シアターキノ なし(12/31・1/1 休)/キノカフェ火曜、第2・4水曜(キノバーは不定)
- 席数 シアターキノ163席/キノカフェ22席/禁煙
- 子供の利用 シアターキノOK/キノカフェOK
- URL シアターキノhttps://www.theaterkino.net キノカフェhttps://www.instagram.com/kinocafe.sapporo/