さっぽろカフェ連載(27)/ACE COFFEE ROASTER
秘密基地のような大人の隠れ家
仕事柄、様々なお店の店主とお話しする機会をいただく。そこで「最近おすすめのコーヒーのお店はありますか?」と尋ねてみると、かなりの高確率で「ACE COFFEE ROASTER」の名前が上がるようになって久しい。
駅チカながら隠れ家のような立地、地図アプリを頼りにたどり着いても、外からは中の様子を窺い知ることができない。初めて訪れる際には少々ハードルが高いのは正直な感想なのだけれど、きっと一度来店すればコーヒー好きならそのお店の虜になってしまう。
それくらい提供してくれるコーヒーは驚くほど飲みやすく、そしてワインのごとく味わいと香りを同時に楽しむものであるのだと、しみじみ実感させてくれる。
ヴィンテージな風合いの店内
“工場”という表現がしっくりとくる内装は、実は本当に焙煎工房だけを作るつもりだったからだそうだ。せっかく余分な場所があるからと、限りある予算の中で半ばついでに作ったというイートインスペースだったが、今では週末ともなればコーヒー好きが詰めかける人気のカフェとなった。
メニューの中心はドリップコーヒーで、シングルオリジンのほかブレンドも。エスプレッソを使ったメニューももちろん美味しい。
一緒に食べたい自家製スイーツは濃厚なテリーヌ、自家製プリンなどコーヒーとの相性を考慮したシンプルなラインナップとなっている。
鮮度がよく上質な豆にこだわり
店内に2台ある焙煎機は豆によって使い分けているそうで、とりわけスペシャルティコーヒーが評判だ。ただあくまでもそれにこだわっているわけではなく、例えば北海道民になじみのある深めの焙煎や、毎日でも気軽に飲めるオリジナルブレンドなど幅広いゲストに向けた豆を揃えているのだそう。常に新鮮で状態のよいものを提供してくれる。
どれにしようか迷ったら、ぜひ知識豊富なオーナー・吉田さんに相談してみてほしい。きっと思いもよらない新しい味との出合いがあるだろう。
プロが淹れるとっておきの一杯
そもそも私自身、スペシャルティコーヒーに苦手意識があった。高級で希少だといわれる豆を買って自分で淹れても、どうもそんなに美味しく感じないからだ。そんな話を伝えると頷きながら吉田さんが答えてくれた。
シングルオリジンは繊細でグラインダーの質はもちろん、挽く際の粗さ、お湯の温度、コーヒーそのものの濃度に至るまで、複雑に絡み合うことで味が変わってしまうということ。また同店も数回淹れ方を変えていて、現在は落とし方の調節ができる「GINA」を使用していること。さらに今後よい方法が見つかればこれも変えるかもしれない、とも。
あれこれ興味を誘うちょっぴりマニアックな話を伺いながら「やっぱりいい豆のコーヒーはお店で飲まなくちゃ」と、結論。そして今日も街へ出かけては、とっておきの一杯を淹れてもらうのだ。
-
店名
エース コーヒー ロースターACE COFFEE ROASTER
- TEL 090-5951-9185
- 住所 北海道札幌市豊平区平岸3条13丁目7-18第2平岸メインハイツ1F
- アクセス 地下鉄南平岸駅西出口すぐ
- 駐車場 なし
- 営業時間 11:00〜18:00
- 定休日 月曜(祝日の場合は営業、翌火曜)
- 料金目安 880円
- 席数 18席/禁煙
- 子供の利用 OK
- URL https://www.instagram.com/acecoffeeroaster/