さっぽろカフェ連載(34)/十四堂珈琲
地域に愛される一軒
住宅街の路地を進んでいくと緑の暖簾がひらり目に飛び込んでくる。
環状通東駅から程近いこの場所に、ちょうど一年ほど前にオープンした「十四堂珈琲」だ。
店主の大畑さんが友人の手を借りながら元八百屋をリノベーションしたという空間は、時を重ねた建物だけが持つ魅力を活かし、どこか下町を思わせるような和やかな雰囲気が漂う。
大畑さんはスペシャルティコーヒーのパイオニアとして知られる軽井沢・丸山珈琲のご出身だが、「コーヒーに詳しくなければ入りにくいお店?」なんて心配はご無用。
いつもの常連がサンダル姿でやってきて「あ、今日はマスターのおまかせでね」と慣れた様子で注文しては、さっそく始まる他愛もない世間話が耳に心地いい。
かと思えばその横で、コーヒー好きの若者と豆の産地や特徴についてマニアックな話に興じているから、本当にカウンターの似合うお店だなと思う。
本格的な味わいを気軽に
札幌生まれの店主が軽井沢のお店に就職したのは、「せっかく働くのなら頂点といわれるお店を自分の目で見てみたい」との想いからだった。
テロワールの個性が際立つ最良の焙煎度合い、それをゲストが楽しむ一杯に落とし込むまでのプロセスを間近で学び、現在もブレンドからシングルオリジンまで豆はすべて丸山珈琲から仕入れている。
自分で焙煎してみたいという野望はないのか訊ねてみると、「先輩たちの情熱的な仕事ぶりを目の当たりにしてきたからこそ、今のところ自分は淹れることに専念している」とのこと。
淹れ方はドリップと、豆の美味しさをダイレクトに味わえるフレンチプレスの2種類があり、どちらにしようか迷ったら気軽に相談を。
ペアリングを楽しめるスイーツも
手づくりのスイーツはシンプルながら、提供するドリンクと相性のいいものが揃う。
例えば、小麦粉の代わりに北海道産ジャガイモを使った「十四堂カステラ」。店名を冠したこちらは仕入れるジャガイモの品種によって異なる口どけや食感が楽しめて、口に運ぶごとに自然な甘みを感じられる。
ほかにもお酒がほんのりと香るチーズケーキや、軽食にぴったりのトーストなど、奇をてらわず毎日でも食べたくなるメニューばかり。
ふらり立ち寄りたくなる居心地のよさ
開け放たれた引き戸から心地いい風が吹き抜ける店内は、いい意味で全然、札幌っぽくない。なんだか時間の流れるスピードすら違う気がする。
穏やかで、ゆったりしていて、押しつけるところがなくて、のんびりするにはもってこい。
なんというか、“大人の夏休み”を体現したようなお店。
実はコーヒーカクテルをはじめ、ビールやウイスキーなどアルコールも充実している同店。
なかなか難しい時期が続くけれど、仕事帰りのひとときにちょっと一杯……なんて使い方を気軽にできる日が、少しでも早く戻ってきますように。
さっぽろカフェ連載(34)/十四堂珈琲
札幌市東区北14条東14丁目5-1
地下鉄東豊線環状東駅3番出口より徒歩約5分
さっぽろカフェ連載 一覧
※記載価格はすべて税込です。
※掲載情報は取材時点のものです。施設内容やメニューなどは変更になる場合があります。
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店名
ジュウヨンドウコーヒー十四堂珈琲
- TEL 050-3580-5438
- 住所 北海道札幌市東区北28条東15丁目2-14 ウェスト28 1F
- アクセス 地下鉄元町駅2番出口より約7分
- 駐車場 なし
- 営業時間 11:00~18:00 13:00〜22:00
- 定休日 月曜(祝日は営業、翌日休)
- カード 不可
- 席数 10席/禁煙
- 子供の利用 まわりに迷惑でなければOK
- URL https://www.instagram.com/jyuuyondoucoffee