【札幌・狂言・舞台】「茂山千五郎家の和らい 狂言会」7/22(水)札幌市教育文化会館
狂言は気軽に観てクスッと笑える喜劇
狂言は能とともに能楽と呼ばれる伝統芸能です。
伝統芸能と聞くと、「難しそう、敷居が高そう、知識がないと楽しめないのでは」といったイメージを持つ人が多いかもしれませんが、そんな人にこそオススメしたいのが狂言です。もしかしたら、伝統芸能の中で一番とっつきやすいかもしれません。
狂言は、奈良時代に中国から伝来した芸能をルーツに、時代とともに様々に形を変えながら、大衆に愛される笑いの芸能として受け継がれてきました。能が荘重で幻想的な歌舞劇であるのに対して、狂言は対話としぐさが中心の明るくて楽しいセリフ劇。独特のオノマトペも印象的です。
庶民の日常を題材に、今の時代でも思わずクスッと笑ってしまうネタが散りばめられていて、「あるある」「わかる!」と観る人の共感を得る〝おかしみ〟や笑いが狂言の面白さです。
「お豆腐狂言」茂山千五郎家の札幌公演
7月22日(水)、札幌市教育文化会館で上演する「茂山千五郎家の和らい狂言会」は、狂言ファンはもちろん、入門編にもぴったりな公演です。2F自由席の「狂言はじめて席」もあって、普段着で気軽に鑑賞できますよ。
出演は、京都を拠点に活躍する大蔵流狂言・茂山千五郎家。江戸初期から400年にわたる歴史を持つ名門狂言師一門です。いつの世も、誰にでも広く愛される、飽きのこない、そして味わい深い「お豆腐狂言」を目指し、「笑い」ではなく和やかな気持ちになれるよう「和らい」と称しているそう。
気になる演目は、「二人袴(ふたりばかま)」と「素袍落(すおうおとし)」の2曲。わかりやすいあらすじで、子どもから大人まで世代を問わず楽しめる内容です。
【二人袴のあらすじ】
今日は吉日だからと、婚礼後初めて妻の実家を訪問し挨拶する「聟(むこ)入り」をすることになった聟は、父親についてきてもらうことにします。舅の家の門前で、聟は父親の手を借りて袴を身につけ家に入り、舅と対面します。ところが、舅の家の太郎冠者(たろうかじゃ)が、門前で待つ父親を見つけ、舅はすぐにお呼びしろと伝えます。一人ずつしか現れない親子に、舅は是非とも一緒に来て欲しいと頼みます。一枚しかない袴、父親と聟の考えたアイディアとは……。
儀礼を無事に乗り切ろうと苦心する親子が見どころです。
「二人袴」
出演
聟/茂山 竜正
舅/茂山 宗彦
太郎冠者/茂山 千之丞
親/茂山 茂
後見/鈴木 実
【素袍落のあらすじ】
急に伊勢参りに行く事にした主人は、前から約束のあった伯父へ太郎冠者を使わせます。伯父から餞別をもらうと、伯父の家へみやげを買わなければならないので、「お供は決まっていない」と言うよう太郎冠者に命じます。しかし、伯父に問いただされて、太郎冠者は自分が供に行くと言ってしまい、門出を祝うために酒を振る舞われ、餞別に素袍まで出されてしまいます。一旦は断りますが、伯父になだめられて頂戴することに。上機嫌に酔って帰る太郎冠者を見つけ主人が叱りますが、酔った太郎冠者は謡まで謡い出し、貰った素袍を主人の目の前に落としてしまいます。
その素袍を拾った主人は……。
「素袍落」
出演
太郎冠者/茂山 千五郎
主人/茂山 虎真
伯父/茂山 逸平
後見/鈴木 実
一枚しかない袴を順番に履いてなんとか乗り切ろうと奮闘する親子の姿や、お酒に酔ってうっかり失敗してしまう太郎冠者の気まずさなど、想像しただけで面白そうです。
ちなみに、能楽では登場人物に固有名詞がなく、「主人」や「親」など役割で呼びます。「聟」や「太郎冠者」「後見(こうけん)」など耳慣れない言葉がありますが、聟はお婿さん、太郎冠者は召使い、後見は能楽で演者を補佐し舞台進行を監督する役割のことなのだとか。慣れるとシンプルでわかりやすいですね。
時代を超えて庶民に愛される狂言の魅力
わかりやすい話の筋に沿って、登場人物たちの軽快なセリフが行き交う狂言の舞台。大掛かりなセットはなく、背景の鏡板(かがみいた)に老松が描かれているのみです。小道具もほとんど使わず、扇や葛桶を様々な日用品に見立てて表現するので、観ているうちに想像力が掻き立てられ、舞台上の世界にグッと引き込まれていきますよ。
「素袍落」では、茂山千五郎演じる太郎冠者がお酒を飲む場面で、葛桶を盃に見立てて演技されます。遠慮しながらも1杯、2杯と盃を重ねていく太郎冠者の姿は、どこか憎めない性格や愛嬌を感じさせて、楽しい気持ちにさせてくれます。
明朗なセリフ回しや雄弁な動作、豊かな感情表現で、心を和やかにしてくれる「お豆腐狂言」。この機会に、大らかな「和らい」に触れてみませんか。
十四世茂山千五郎さんは、能楽のファン開拓にも力を入れ、他ジャンルとのコラボ公演や共演も精力的に行われています。
公演翌日の7月23日(木)、実際の舞台上で狂言体験ができる「茂山千五郎の和らい」狂言ワークショップを開催。茂山千五郎さんと鈴木実さんが講師となり、狂言のアレコレを教えてくれるので、狂言の新しい魅力に気づかされるはず。こちらも公演と合わせてチェックしてみては。
茂山千五郎家の和らい狂言会
日程:7月22日(水)
開場:18:00/ 開演:18:30
会場:札幌市教育文化会館 大ホール(札幌市中央区北1条西13丁目)
料金:S席5,000円/A席4,000円/狂言はじめて席(2階自由席)2,000円
※教文ホールメイトはS・A席500円割引
チケット取り扱い:教文プレイガイド、チケットぴあ、道新プレイガイド、セイコーマート、市民交流プラザチケットセンター
「茂山千五郎の和らい」狂言ワークショップ
日程:7月23日(水)
時間:13:00〜14:30
会場:札幌市教育文化会館 大ホール
料金:2,000円
※教文ホールメイトおよび狂言公演チケットをお持ちの方は1,000円
事前申込はこちらから(※6/30(火)まで、先着順定員20名)
※記載価格はすべて税込です。
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