【たすけてドクター】036. カンジタ性膣炎の予防策を知りたい

2018年8月1日

カンジタ性膣炎の予防策を知りたい

Q.  体調を崩すとカンジダ性膣炎になります。産婦人科で治療してもらうのですが、毎度のことで大変なので、何か予防策があれば教えてください。
(28歳・主婦)

A.  カンジダ性膣炎を繰り返す方は、かなり多くおられます。このカンジダというのはカビの一種で、もともとは我々の体にいつもいる常在カビなのです。普通は他の常在細菌と一緒にバランスよく住み分けができているのですが、抗生物質などを服用すると特定の菌だけ退治されてしまい(抗生物質は細菌だけに効きます)、菌とカンジダのバランスがくずれてカンジダだけ増えてくることがあります。

 また、薬を飲まなくても体調が悪くなると、菌を抑えている免疫力が弱まって同じようなことが起きます。膣の中は温度や水分が適度にあり、微生物が繁殖しやすい環境であるため、細菌やカビが悪さをしやすい場所なのですネ。それで、膣や膣周囲に症状が集中します。

 このカンジダ性膣炎を、性病の一種と勘違いしている方がたまにいらっしゃいます。性行為で感染することも中にはあるかと思いますが、元来、体にいたカビが増えてきただけですから、性病とは見なしていません。

 典型的な症状は、白いポロポロとしたオリモノ、外陰部のかゆみ(特に膣の入口周囲)が多いのですが、炎症が強くなるとヒリヒリした痛みを伴うこともあります。この病気自体は大したものではなく、膣内を洗浄して膣座薬を入れ、軟膏を塗れば1週間程度でよくなるのが普通です。診断は簡単で、膣分泌物を顕微鏡で見てカンジダの菌糸を確認するだけなのですが、たまたま見えないこともあり、そのときには培養検査でカンジダが生えてくるかどうかを待ちます。

 治療は簡単なのですが、問題は再発を繰り返すことです。治ったと思ったらまたすぐにかゆくなって、病院通いをするのは大変です。ただ残念なことに、常在カビが原因なので、このカビを完全に体の外へ追い出すことはできないのですネ。ですから予防法というと、体調を良好に保つ以外にこれといった方法はないことになります。

 カンジダを怖がって、内科などで抗生物質を処方されても飲まない人がいますが、これはやめた方がいいでしょう。病気としては、簡単に治るカンジダ性膣炎よりも、抗生物質の対象となる病気の方がはるかに重要だからです。もしカンジダ性膣炎になったとすれば、それはそのときに治すしかありません。

 最後に1つ。かゆみが出たときに、以前もらっていたカンジダ用の塗り薬で済ませる人がいますが、カンジダの原因は膣の中にあるので、中にいるカビをやっつけない限り、いくら外側に塗っても根本治療にはなりません。まずカビの固まりと化している白いオリモノを洗い流すことが先決です。できれば産婦人科を受診されたほうがいいでしょう。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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