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【たすけてドクター】146. 生理前に起こる様々な症状。治療法はある?

2018年8月1日

生理前に起こる様々な症状。治療法はある?

Q. 生理前になると、何もしていないのに体が熱くなって汗をかいたり、急に寒くなったりします。また、風邪が完治しても平熱に戻らない状態が続いたり、フワフワした感じや胸のドキドキ感などもあるのですが、治療法はありますか?
(25歳・会社員)

A. 

PMSは人によって症状が様々
 詳しい経過はわかりませんが、文面で判断する限り、現在の症状は月経前症候群(Premenstrual Syndrome PMS)の可能性が高いと思われます。この病気は以前「月経前緊張症」とも言われていました。症状が出る時期はそれぞれ異なりますが、1番長い方で排卵期(生理開始のほぼ2週間前)から生理終了まで、生理7~10日前から生理前日ないし開始日までというパターンが1番多いようです。症状としてはむくみ、体のだるさ、37度前後の微熱、便秘(稀に下痢になる人もいます)、下腹痛といった身体症状から、眠気、食欲の増進、落ち込み、むやみに悲しくなって涙が出る、イライラして人にあたるなどの精神症状まで様々です。中には、生理直前に寒気、鼻水といったちょうど風邪のような症状が出る人もいます。

PMSの一因は黄体ホルモンに
  PMSの原因については色々な説がありますが、はっきりとしたものはわかっていません。生理前の黄体期には卵胞ホルモンと一緒に黄体ホルモンが分泌されますが、これが悪さの根源であろうと言われていました。症状の発現する時期が、黄体ホルモンの分泌時期とおよそ一致しているからです。しかし、このホルモンは排卵がある女性であれば皆同じように分泌されるはずですが、PMSの症状は出る人と出ない人がいるわけですから、一概に黄体ホルモンだけに全ての原因を負わせるわけにはいかないのです。


1種類の漢方薬でいくつかの症状を緩和
   では、治療はどうするかというと、症状が多岐におよぶだけに1種類だけで済む特効薬は存在しません。西洋医学的には、精神症状ならば抗うつ薬や抗不安薬を、むくみや便秘には利尿剤や瀉下剤を、というように症状別に考えますが、漢方薬をうまく使うと少ない種類で色々な症状が改善されることもあります。漢方は「気」「血」「水」のバランスで方剤を考えるので様々ありますが、たとえば私がよく使う漢方薬は補中益気湯、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、抑肝散、五苓散、四苓湯などです。ただし、うつなどの精神症状に対しては、西洋医学の薬を併用することもあります。

微熱が続く場合は内科へ
  また、生理のサイクルにかかわらず微熱が続いているのであれば、内科を受診されることをお勧めします。PMSは月経時の症状に隠れて、今まであまり取り上げられてこなかった傾向がありますが、症状をもっている人は意外に多いものです。お悩みの方は1度、産婦人科を訪ねてください。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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