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【たすけてドクター】061. 主婦湿疹を治す方法はありますか?

2018年8月1日

主婦湿疹を治す方法はありますか?

Q. 一年中手の荒れがよくなりません。「主婦湿疹」というものらしいのですが、水泡ができてかゆくて、掻きむしると破れて汁が出てきて汚らしいんです。何か良い対処法はないのでしょうか?
(31歳・会社員)

A. 「主婦湿疹」とは炊事や洗濯などの水仕事が原因で起こる皮膚のかぶれのことで、“慢性刺激性接触性皮膚炎”といいます。主婦の方に多い症状なので、こういう呼び方をされているんですね。

 症状としては、皮膚が乾燥してカサカサしてかゆみがでてきて、水泡ができたりジクジクしたりします。月経前に悪化したり、アトピー体質の人に多いといわれています。本人にとってはつらい症状ですが、この直接の犯人は洗剤なんですネ。

 皮膚の表面は油分と汗が分泌されることで刺激物から守られているわけです。油分は毛包についている皮脂腺が作っていて、さらに汗は汗腺から出ます。ところが、手のひらには、汗腺はありますが毛包はないので(手のひらに毛は生えていないですよネ)、皮脂腺からの油分の分泌がありません。

 従って手の油分は、たまたまほかの皮膚に接触した際に付くぐらいで、あとは汗が防御の壁となっています。ですが、このただでさえ少ない防御壁を洗剤が洗い落としてしまいますので、外部からの刺激や乾燥を防ぐことができなくなってしまいます。それで手のひらに症状が集中するのですネ。

 この主婦湿疹は20~30歳代に多いのですが、これは年齢的に子育てに入っていることが多く、炊事、洗濯の量が増えるためであろうと考えられています。


 次にどんな事柄が主婦湿疹のリスクを上げるのか考えてみましょう。まず1つは洗剤を使う家事の時間、量が多いことです。

 たとえば食事の内容が油分の多いものであれば、食器を洗うのに使用する洗剤の量が増え、時間がかかるので好ましくありませんし、最近流行の“洗浄力が強い”洗剤もそれに拍車をかけています。また家事における洗剤だけではなく、シャンプーも同様に影響を与えます。髪の長い人や、美容師さんなど頻繁に髪を洗う方も気をつけられた方がいいでしょう。

 ですから対処法としては…


・食事の内容や使う洗剤を考える

 

・家事が終わったあとはハンドクリームなどで保湿する

といったことが考えられます。あとよく皮膚科で言われるのは、「水仕事を控えなさい」ということですが、主婦をしている限りは実際無理に近いでしょうネ。

ではどうするかというと

・食器に付いている食べ物の汚れをあらかじめ拭っておく

 

・少ない洗剤で洗う

 

・大皿を使い食器の数を減らす

 

・ゴム手袋をして直接洗剤に触れることを避ける

などですが、一番いいのは食器洗浄機や全自動洗濯機などの家電を活用することでしょう。ゴム手袋でかぶれる方はさらにその下に薄い木綿の手袋をするとよいでしょう。まあ、体質もありますので、気を付けていてもなる人はなるかも知れませんが…。

 皮膚科では、おそらく今お話しした生活指導と薬の処方を考えると思いますが、症状が軽い場合はワセリンや亜鉛華軟膏あるいは尿素系の軟膏を、炎症が強い時はさらに副腎皮質ホルモンの外用剤を使うことが多いでしょう。

 漢方では、温経湯(ウンケイトウ)や温清飲(ウンセイイン)がよく用いられます。温経湯は、冷え性だけれども唇が乾き手のひらがほてる方に向いており、温清飲は基本的にはほてりがあり、皮膚が乾燥気味の方によいのです。他にもいろいろな漢方薬がありますので専門の薬局かクリニックにご相談なさってください。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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