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【たすけてドクター】154. 性交時の出血は何かの病気?

2018年8月1日

性交時の出血は何かの病気?

Q.  性交時にだけ出血があります。クラミジアに感染していることがわかり薬を服用しましたが、出血は止まりません。がん検診もしましたが、異常はないとのことです。何かの病気でしょうか? 
(25歳・会社員)

「子宮膣部ビラン」とは
 性交時に出血があるとのことですが、毎回あるのであれば「子宮膣部ビラン」の可能性が高いのではないかと思います。
「ビラン」は、”ただれ”の意味ですが、病的なビランは多くなく、ほとんどは生理的なビランです。
  子宮が膣側に飛び出た部分を「子宮膣部」といいますが、そこには子宮腔内に通じる穴があいています。その穴から子宮腔までの細いトンネルの部分を「子宮頚管」といいますが、「膣部」も「頚管」も、その表面は上皮という体表でいうところの皮膚に相当する一種の“皮”に覆われているのです。ところが「頚管」の上皮は「膣部」のとは違って非常に薄いため、皮下組織の赤みが見えてしまうんですネ。この「頚管上皮」はトンネルの部分だけではなく、膣部の穴の周囲に広がっていますので、そこが赤くただれたように見えるのです。

  さて、この薄いビラン面は、こすられると簡単に出血することがあります。子宮頸がんの検診では、普通は木のへらで膣部をこすって付着した頚管粘液をガラス板に塗り細胞診に出すわけですが、この操作のときも出血をすることがあります(仮に出血しても痛みはありませんので、念のため)。また、性交時も同様の理由で出血することがあり、珍しい症状ではありません。子宮がん検診の結果、問題がなければ、気に病むことはないでしょう。

  治療は、出血しているビラン面に血液を凝固させる粉末をかけて様子をみますが、ビラン出血を繰り返すようであれば、ビラン面に硝酸銀の溶液を塗ります。これは、一種の化学的な“やけど”を起こさせ、それが修復される過程で「膣部」を丈夫な上皮に置き換えるというものです。やけどというと恐ろしい感じがしますが、この硝酸銀の治療には痛みは伴いません。このほかにも、液体窒素やレーザーなどいろいろな方法があります。ただし、性交時の痛みは子宮内膜症が原因の場合もありますので、もし生理痛がひどいようであれば、再度精査することをお勧めします。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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