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【たすけてドクター】125. 不眠気味で、気力もない。これって気分的な問題?

2018年8月1日

不眠気味で、気力もない。これって気分的な問題?

Q.  最近、身体がだるくて夜眠れません。そのためお酒を飲んで寝る習慣がつき、そのせいか気力もなく、毎日の仕事がつらいです。病院にかかっても、特に問題はないと言われました。ただの気分的なものなのでしょうか?
(21歳・会社員)

A.「身体がだるく、夜も眠れないし、気力も湧かない」ということですが、症状からいいますと“抑うつ状態”ないしは“軽いうつ病”に落ち入っておられるのではないでしょうか。もしこれに微熱や頭痛、リンパ節が腫れている、などの症状があれば「慢性疲労症候群」を疑いますが、質問の中にはないので、まず違うと思います。
  うつ的な気分というのは誰しも起こることで、仕事上のストレス、近親者や友人、ペットの死などが引き金で起こることもあります。普通は時間の経過とともに立ち直りますが、それがうまくいかない場合には神経科や心療内科を受診された方が回復が速いでしょうネ。うつ状態は脳の中の神経伝達物質が関係しており、化学物質上の問題なのです。本人がたるんで、気合いが入っていないように見えるため、よく「ナマケ病」などとも呼ばれますが、本人は決してなまけている訳ではなく、逆に自分を叱咤激励してなんとか行動しようとするのですが、身体がついてこないのですネ。
  神経は電気信号を伝える電線のようなものですが、実はこの電線はところどころ切れていて、微少な隙間が空いています。例えて言うなら、道路が川で途切れている、という感じです。進むためにはこの川を“渡し船”で渡らなければなりませんが、この“渡し船”に相当するのが神経伝達物質で、うつに関係する代表的なものとしてはノルアドレナリンとか、セロトニンがあります。この神経伝達物質が欠乏してくると、うつ症状がでてきます。
  治療はこの伝達物質を増やす作用のある薬を使ったり、その他の作用機序を持つ薬を用いる場合があります。また、カウンセリングを併用することもあります。ただし、薬を服用しても効いてくるまでに時間のかかることがありますので、少々辛抱が必要です。いずれにせよ治るものですから、遠慮なく病院やクリニックを受診してください。内科や産婦人科でも処方してくれるところがあります。
  抑うつ状態や軽いうつ病を過ぎて、“本当のうつ病”になると、外出できず、身の回りのこともできなくなりますので、入院が必要になります。
  最後に、アルコールに頼ることは依存症になる危険性がありますし、治療にもなりませんので、ぜひお止めになった方がいいと思います。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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