さっぽろカフェ連載(25)/パーラートモミ
食事から軽いお茶まで楽しめる“街の喫茶店”
円山公園駅から南へ向かって歩いて行くと、銭湯や個人商店、昔ながらのスイーツショップが立ち並ぶエリアが見えてくる。下町情緒のまだ残る、ちょっぴり懐かしい景観に溶けこむように「パーラートモミ」はある。
しっかりとした食事が食べられて、甘いものも楽しめる。もちろんコーヒーも。
そんな想いがこもったお品書きは、単なる“喫茶店の王道メニュー”というくくりにしてしまうのはもったいないくらいに、どれも美味しい。とりわけ私の好きなメニューが多いので、好みが似ている人にこっそりオススメしている。
絶品の王道オムライス
幼いころから偏愛しているメニューにオムライスがある。
とろとろ系卵も好きなのだけど、断然、クラシカルなタイプが好み。きちんと表面には火が通っているのにチキンライス側には半熟の部分が残っていて、とろんとした卵とライスが絡んで一体感がある。
こちらのオムライスは、私にとってまさにパーフェクト!
包まれたライスもチキンやスープと一緒に炊き込んでから、ケチャップを加えて炒めているのでがぜん美味しさが違う。聞けばマスターは20年以上も飲食業に関わっているそうだ。
やさしいレモンイエローの卵は当別町「Farm Agricola」の平飼い有精卵。スプーンにひとすくい、口に運べばうれしい味がする。平日のランチなら数量限定で大根サラダと味噌汁まで付いてくる。
ちなみにカレーも絶品なので、こちらもぜひ食べてみて欲しい。
ミルクの美味しさが活きたパフェ
冒頭に述べたように、こちらは甘いものも評判。
思わず歓声をあげてしまうほど大きくてかわいいパフェはもちろん、先割れスプーンの愛らしさにもキュンとする。季節ごとの限定パフェも美味しいけれど、定番なら「自家製プリンのパフェ」も人気だ。
「大きくて食べられないかも……」なんて心配はご無用。
メインとなる浜中町産牛乳を使うオリジナルソフトクリームは、ミルクの美味しさをそのまま実感できるあっさり&さっぱりとした味わい。甘さ控えめの自家製カスタードプリンを中心に、たっぷりのフルーツ、盛り込まれた様々なお菓子は見た目が楽しいだけでなく、しっかりと味の緩急にもなっていて食べ飽きすることがない。
2階には読書を楽しむ「トモミ文庫」も登場
春先から秋までの平日限定、お店の2階は「トモミ文庫」として解放している。店主が個人的に集めた本を中心に自由に読めるようになっていて、私語は厳禁。読書を心ゆくまで楽しめる空間だ。
基本的にドリンクと気軽な焼き菓子のみの提供なので、一人で本に没頭したいときにはこちらも利用してみて欲しい (10月以降の利用の可否はお店に確認を)。
オープンから間もなく3周年を迎え、ますます目が離せない一軒だ。