さっぽろカフェ連載(19）／hato coffee

商店街の古びた看板が並んでいたり、歩道の脇に腰掛ける年配の方々がいたり……。

“北のすすきの”とも称される北24条駅界隈は、夜のイメージとは裏腹に、明るい時間帯はどこかノスタルジックでのんびりとした空気が漂う。

繁華街からはずれて北へ少し歩くと見えてくるのが「hato coffee」だ。

南向きの窓から外を眺めるカウンター席は日当たりがよく、ぼんやりしながら過ごすのにもってこいで、時間の流れがここだけゆっくりしているような気分になる。

'17年のオープン時からの常連客も多く、しっかり地元に根付いている。

こぢんまりとした店内は、木のやさしい風合いと、カラフルなイスが配されたくつろぎの空間。

高さのちょうどいいテーブルに、座り心地がよくて高さのちょうどいいイス。頬杖をついてぼんやりするのにも、本を読むのにもちょうどよくて、とにかくしっくりくる感じ。

ひそひそとおしゃべりにいそしむ女性たちも、一人で本を読む男性も、みんなもれなく長居している。

コーヒー豆は少量ずつ、なるべく新鮮なものを使って、店内奥の手廻しの焙煎機で丁寧に焙煎。

オリジナルブレンドはやわらかな味わいが魅力で、毎日でも飲みたくなるような一杯だ。

まずは分厚い「ピザトースト」を頬張りながら、「マイルド」をいただく。休日のブランチにもぴったりな定番の味は、しみじみと美味しい。

もちろんスイーツも絶品で、「ショコラ」や「チーズケーキ」のほか、気まぐれに変わる限定スイーツも美味。つい欲張って、いろいろと食べてしまう。

毎週金曜は16時からは、いつもよりちょっぴりスピーカーのボリュームを上げて、音楽に身をゆだねる「ジャズ喫茶の日」。

日々の喧騒を忘れ、音楽に耳を傾ける贅沢な時間を過ごせば“大人になってよかったな”と、きっと思うはず。長く甘い余韻が続く深煎りのコーヒー「ジャズ」の提供もこの日だけのお楽しみだ。

もちろんコーヒー豆は購入もできて家で楽しむこともできる。

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