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【たすけてドクター】008. 不正出血は病気なの?

2018年8月1日

不正出血は病気なの?

Q. 

【1】偏頭痛が多いです。強めの薬をいつも飲んでいますが、何か治す方法はないでしょうか。生理前や疲れたときは必ずですが、どうしても薬に頼ってしまいます。がまんしていると吐き気もしてくるし、光やニオイもつらくて、大変なんです。女性には多いとのことですが、少しでも減らしたい。
(35歳・会社員)

 

【2】4年ほど前から不正出血するようになり、病院で排卵期出血と診断されました。その時は薬をもらい、しばらくおさまっていましたが、今も2、3カ月おきくらいに出血します。病気ではないということですが、これから先、出血はしなくなるものなのでしょうか? 出血がある月はとてもゆううつです。尚、毎年婦人ガン検診を受けていますが異常はありません。
(29歳・公務員)

A. 生理以外の出血を「不正出血」といいますが、これも原因がいろいろあります。

 

【機能性子宮出血】
出血源がわかる病巣(例えば子宮ガンなど)がないのに出血する場合をいいます。若いかたの不正出血の多くはコレでしょうね。【2】のかたの「排卵期出血」もコレに入ります。排卵期は女性ホルモンのレベルが体内で切り替わる時期なので、少量出血することがあるのです。ところで、排卵の時期はいつなのかご存じですか?

 簡単にいうと、生理開始の約2週間前です。生理の周期が仮に30日とすると、30日・2週間(=14日)で、生理開始日から数えて16日目頃が排卵日となります(生理の周期というのは、生理開始日から次の開始日までをいいます。生理の終わった日は関係がありません「007.生理不順の原因は?」参照)。

 【1】のかたの場合、生理周期は不明ですが、生理終了後1週間たってからの出血ですから、生理開始日から14日目頃ですので、排卵に伴う出血である可能性が高いですね。あまり出血量が多いときにはホルモン剤を使用することがありますが、計算上排卵期と思われる時期にのみ少量出血するのであれば治療はいりません。

 また、特に赤ちゃんが欲しいというかたでなければ、低用量ピルの服用によって排卵期の出血をなくすることができます(排卵期でなくてもホルモンバランスの失調で出血することがありますが、これは止血剤かホルモン剤で対応します)。

 診断のときに、本当に不正な出血なのか、遅れて来た(あるいは早く来た)生理なのか判断に迷う場合がありますが、このような時に役立つのが「基礎体温」です。これを毎日測定していると、どのような時期の出血なのかがわかるので、つけているかたは婦人科受診の際に持参すると、ドクターが喜びます。

 

【器質性出血】
ホルモンバランスのような目に見えないものではなく、肉体的な病気が原因である場合をいいます。悪性のものではガンなどがその例ですが、良性では子宮膣部ビラン、子宮頚管ポリープ、子宮筋腫などがあります。そのほか、炎症や、IUD(俗にいう避妊リング)などの子宮内異物が原因のこともあります。

 最も多いのは膣部ビラン(一種のタダレ)でしょう。成人女性の子宮の入口は一見ビランのようになっていて、本来は生理的なものなので治療は不要です。ただ、中には本当のビランになっている人がいて、出血しやすくなっていることがあるのです。性交時の出血もビランによることが多いのですが、初期ガンの可能性もあるので、心配なかたは婦人科検診をお勧めします。

 特に、中年以降のかたが不正出血をみた場合には、必ず婦人科を訪ねられたほうがよろしいですね。ビランによる出血は、検診でガンが否定されれば、硝酸銀(しょうさんぎん)で処置することによって治すことができます。


【その他】
例えば、妊娠に気づかずに、流産性の出血を不正出血や通常の生理と間違える場合もあります。基礎体温をつけているとこのへんのこともよくわかるので、不正出血の多いかたはぜひ測定をお願いします。ほかに、婦人科以外の病気(白血病など)が原因のこともありますが、これは当然、元疾患を治療します。

 繰り返しますが、不正出血があったとき、婦人科として最も心配なのは子宮ガンです。検診で悪性でないとわかれば心配はいりません。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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