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【たすけてドクター】084.カンジダ性膣炎は子供に感染する?

2018年8月1日

カンジダ性膣炎は子供に感染する?

Q.  カンジダ性膣炎を発症しています。1歳の子供と毎日一緒にお風呂に入り、同じタオルを使い、股の間に子供を座らせたりと、かなり接触しているので、感染するのではないかと心配しています。もし感染した場合は、子供にも目に見えるかたちで症状が現われてくるのでしょうか? また、感染したかどうかは検査などで調べることはできますか?
(28歳・会社員)

 私はカンジダ性膣炎と診察され、今も治療をおこなっています。最近、子供(5歳)が股をよくかくのですが、子供もカンジダ性炎症にかかることはあるのでしょうか? また治療する場合は、私と同じように産婦人科に連れて行くべきですか?
(31歳・主婦)

A. カンジダ性膣炎については今までもお話ししてきましたが、まだまだ読者さんからのご質問が多いのでまた取り上げます。

 カンジダというのはカビ(真菌)の一種で、正式にはカンジダ・アルビカンスと言います。これは特殊なものではなく、少しですがいつも我々の体の中にいる常在のカビなのです。カンジダは体の色々なところにいて、ほかの常在細菌とバランス良く棲み分けがされ、普段は免疫によってその繁殖が抑えられていますが、体調を崩し抵抗力が落ちると増殖することがあります。そのほかに、風邪などで抗生物質を服用した際に、特定の菌が駆逐されてしまい、棲み分けのバランスが崩れてカンジダだけが増殖し、痒みなどの悪さをすることがあります。

 カンジダは一般にはジメジメした湿っぽい所に好んで繁殖します。カンジダが引き起こす皮膚炎の場所としては女性の膣をはじめとして、口の中やその周囲(口内炎や口唇炎、口角炎など)が多いです。また、お産のときにカンジダ性膣炎が治っていないときには、赤ちゃんにカンジダが感染して口内炎になる場合があります(鵞口瘡--ガンコウソウ--といいます)。
 
 カンジダは皮膚と皮膚が擦れる所にもよく出ます。赤ちゃんでは“おむつカブレ”がカンジダにより生じることがあるので、カブレが治りにくい時にはカンジダの可能性を考えた方がよいでしょう。

 体の具合が悪く免疫系の力が落ちている場合は、血流にのって全身にカビが及ぶことがあります。これを「深在性真菌症」といいますが、発症は稀です。

 さて、お風呂での感染ですが、お風呂では当然“洗い流す”や“拭き取る”といった行動、さらに発汗もありますので、カンジダが体のある部位に付着したまま…というのはありえません。仮にタオルなどを介してカンジダが皮膚に付着したとしても、ただ付いただけで、ただちにそこがカンジダ性膣炎になることは考えられません(感染にはある程度の湿り気と時間が必要だからです)。ですから、免疫力が落ちている方は別として、家庭のお風呂での感染はほぼないと言っていいと思います(病院で新生児の沐浴槽が共用の場合は、カンジダを持っている赤ちゃんから広がることはありえます)。

 感染したかどうかの判断は、皮膚の角質層や毛、爪を少々取って顕微鏡で見るか培養検査をします。カンジダによる皮膚炎はあまり重篤な病気ではありませんし、治療薬もありますので、あまり神経質になる必要はないでしょう。

 お子さんにカンジダ性皮膚炎が疑われる場合は、産婦人科にかかる必要はなく、皮膚科や小児科の先生に診てもらうとよいでしょう。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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