香取慎吾×白石和彌 映画『凪待ち』囲み取材&舞台挨拶レポート!
『孤狼の血』、『彼女がその名を知らない鳥たち』など、話題作・衝撃作を次々に生み出す日本映画界の寵児・白石和彌監督と、エンターテイメント界の大スターであり、近年ではアートでもその多彩な才能を発揮し続ける香取慎吾が初タッグを組んだ映画『凪待ち』。
バイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理かつ悲劇的な、映画史上最も切ない暴力を描く衝撃のヒューマンサスペンスです。
6月28日(金)の公開を控え、香取慎吾さんと白石和彌監督が全国を廻る「全国縦断! 完成披露試写会」の最終地・札幌シネマフロンティアで6月24日(月)に行なわれた囲み取材と舞台挨拶の様子をレポートします!
香取「すごく無茶なことをいう監督だなと(笑)」
まずは舞台挨拶の前に行なわれた囲み取材のインタビューをご紹介!
―今回、映画の中では郁男(=香取慎吾)と亜弓(=西田尚美)の関係性が出来上がった状態で作品が始まりますが、二人のなれそめや役柄のバックボーンなど、事前に監督と香取さんでお話しなさったりしましたか?
白石「この映画はあんまり過去に何があったか描いていなくて、亜弓と郁男がどういうなれそめでというのは映画を観ていけばなんとなく分かっていくような感じではあるんですけど、脚本の加藤さんとはそれぞれ人物ごとにどんな生い立ちでというものは作っていました。ただ、香取さんには脚本から感じられる部分でお芝居をしていただきました」
香取「脚本にないバックボーンの部分を作っているって聞いたのは打ち上げのときとかですね。すごいなと。そこまで作り上げて本を書いていたんだなと」
―香取さんは一度台本を読んだら、その印象を大切にして撮影までは再度読まずに挑むとお聞きしたのですが、台本を読んだ時の印象から、実際に演じてみて作品に対する印象の変化はありましたか?
香取「結構脚本の中に書かれていないことが多くて、それこそ「郁男殴られる」というのも1行だったりしたものがあれだけのアクションシーンになっていたりとか、心の中を描くシーンでも、“このシーンすごいセリフ少なくてラッキー”と思っていたら、そんなんじゃ済まないシーンだったりとか(笑)、脚本を読んだだけでは分からないシーンがたくさんありましたね」
―白石監督がこの映画の舞台を石巻に選ばれたのは、再生というテーマを描くためでしょうか?
白石「そうですね。もちろん震災で失くなったこととこの映画の中で郁男が失ったことの事件との本質は全然違うものなんですけど、根底の部分での人間の救済を求める感じというのは、どこか通じるものがもちろんあっていいかなと思っています。実際に石巻の漁師の方が言った言葉をほぼそのまま勝美(=吉澤健)のセリフにしたシーンもあります」
―撮影で一番忘れられないシーンは?
香取「お祭りでの乱闘シーンですかね。街の人に協力してもらってエキストラが300人くらいいました。夕暮れギリギリの空も生かしたい、プラス全部1カットで、人をかき分けてっていうのをやりたいっていう監督の思いにみんなで応えようとしていて、すごく無茶なことをいう監督だなと(笑)。ただそういうときほど燃えてくるというか、絶対これやってやろうっていう。日が暮れている中でリハーサルを繰り返すんですけど、その中でちょっとずつ固まってきたら監督がここで蹴られてこの水に落ちてほしいとか更にプラスしていく部分をみんなで模索しながら。本当に1発撮影じゃなきゃできないシーンだったので、街のエキストラの方もみんなひとつになってカットがかかった瞬間に静かにじわじわと拍手が起こって、最後には街全体で拍手が起こって、感動しましたね」
―今後挑戦してみたい役は?
香取「今回白石監督とご一緒するときに監督の色んな作品を見させていただいて、ヤバい監督だなと思ったんです(笑)。今回の『凪待ち』は白石作品の中でもヒューマンドラマで、アクションだったり暴力的なシーンもあるけど人間の心を描いていたりするので、より白石作品のバイオレンスな部分をやってみたい気持ちもありますね」
大歓声の舞台挨拶スタート!
続いて香取慎吾さんと白石和彌監督が登場した舞台挨拶の様子をご紹介! 残念ながら舞台挨拶に参加できなかった方も沢山いらっしゃるかと思いますので、たっぷりとレポートいたします!
MCの若林聖子さんからご紹介され、大歓声の中登場したお二人は、なんと客席を回ってからステージへ! 一気に会場のボルテージはマックスに!
香取「みなさんこんにちは。木野本郁男役を演じさせていただきました香取慎吾です。今日はよろしくお願いします」
白石「『凪待ち』を監督しました白石です。僕は北海道出身なので札幌シネマフロンティアでこういう完成披露を出来ることが本当にうれしいです。短い時間ですけどみなさんよろしくお願いします」
香取「北海道のみなさんはうらやましいですよ」
香取さんは久しぶりの北海道とのことで、道産子のファンは本当に首を長くして待っていましたよね! 完成披露は東京・名古屋・大阪・福岡と廻ってきて、札幌が最終地でした。
改めて全国、そして札幌に来た感想を聞かれると、
香取「最後だっていうのが寂しいくらいに監督と色々なところに行かせていただきまして、でも札幌に北海道に来れたことが本当にうれしく思っています。ファンの方のツイッターで僕は自分の情報をチェックしているんですけど、先ほど生放送の番組に出る前にチェックしたら(札幌は)コンサートで来て以来なんじゃないかって。それを番組の中で言ったら番組後(ツイッターを)見たら、そのあとテレビ番組のロケでザキヤマと一緒に来てるみたいです。それで合ってますか?(観客が一斉に「合ってるー!」)。僕のことはみなさんの方がよく知ってるんで(笑)」
一方、北海道出身でもある白石監督は、
白石「今年の2月か3月に夕張でやっている「ゆうばり映画祭」に今年なぜか審査委員長で出まして、その時に来て以来ですね」
お2人に北海道の印象を尋ねると、
香取「おいしい。(客席から笑いが)」
白石「北海道は何でも美味しいです。さっきも取材受けていると記者の方々から「是非うに丼食べてみてください」とか色々香取さん言われてましたけど、言われてるそばから多分食べれないんだろうなって顔してました(笑)」
香取「・・・はい(ため息がちに)。みなさんうらやましいですよ。美味しいものが近くにあって。分かんなくなってると思うんですよ、いつも美味しいもの食べてるから(笑)。(札幌から)離れてる僕からしたら本当に美味しいんですよ。とんでもなく美味しいものをきっとみなさんはいつも食べれてるからうらやましいです」
「郁男」という男について
北海道のお話を伺ったところで、続いては映画のお話を!
改めてお二人が思う主人公「郁男」について、どのような男だったかという質問に、
白石「情報ではね、クズだとか散々書かれていてみなさんドキドキしているかと思いますが、ただそういう部分はもちろんあるんですけど、根底は優しくて、自分の人生をなんとか立て直したいというのは心から願っている、実はいいやつだと僕は思っていて作っていましたずっと」
香取「完成した作品を監督と一緒に観させていただいたのは去年の10月なんですね。僕は観終わってすぐに、もう明日にでも早く一人でも多くの方に観てほしいなって思うような作品になったんですけど、この主人公は“逃げる男”でどんなものからも逃げちゃってどんどん堕ちていくって(宣伝などで)言っていたんですけど、今日気づいたのが、最初の方(のシーン)で結構人のために動いてますね。そこちょっと忘れるくらいに、観終わった僕は「本当にどうしようもなく逃げる男なんです」って言ってたんですけど、最初の方で人のために動いてます!(笑)」
北海道出身・音尾琢真さんとの共演エピソードも!
そして、『凪待ち』には道産子にとってうれしいあの方も出演しております!
MCからの「どなたでしょう!」の問いかけに「音尾さん!」とすぐに客席のみなさんから名前があがりました。そんな音尾琢真さんとのエピソードも語っていただきました。
香取「急な、今!?っていうときに「写真いいですか!?」っていう。(写真を撮る雰囲気は)あんまりなかったんですよね全体的に。その中でこの映画の撮影中に初めて言ってきたのが音尾さんで、それで「いいですよ」って言って写真撮ったんですよ。この舞台挨拶の(東京での)初めての時に舞台上で「あの撮った写真どうして(SNSに)アップしてくれないんですか」ってみんなの前で言うような人です」
このエピソードに会場からは大爆笑が。
白石「音尾さんは(旭川西)高校の1学年下で、高校時代は全然知らなかったんですけど、今はずっと欠かせない俳優で、やってって言ったことは全部やってくださるので、これからもずっと出てもらいたいなって思っています」
香取「僕は北海道での音尾さんをあまり知らないんです。それこそ白石組の音尾さんとして素敵な俳優さんとして今まで観てきた音尾さんが「こうやってこの作品でご一緒できるのがすごくうれしくて」って言ってくれて、そんなに言ってくれるのが本当にすごくうれしかったです」
これに対して、MCの若林さんが「何かすごくうれしいです! 写真の件はすいませんでした(笑)謝っておきます(笑)」と言うと、
香取「みなさん面白い! 音尾さんに対して音尾さんの親族のような(笑)こんな感じなんですね」
と道産子と音尾さんとの関係性に会場は笑いに包まれました。
白石監督「香取さんの顔に毎回ゾクゾクしながら撮っていました」
「ここを注目したらより楽しめる!」 というシーンをネタバレしない程度にお話しいただきました。
白石「そうですね、色々ありますけど本当に撮影しながら香取さんの顔に毎回ゾクゾクしながら撮っていて、なんでこんな顔になるんだろうと思いながら撮影していたんですけど、それが中盤以降に結構顕著になってきて、やさぐれればやさぐれるほど、不思議なもので色っぽくなっていくんですよ。一番色っぽいシーンがどこだったかって言うのを観終ったあとにツイッターでつぶやいてほしいかな」
香取「海が登場する中で霧がきれいに映っているシーンがあるんですけど、あそこは映画のマジックというか監督が持っているなっていう。晴れてほしいところで雨が降っちゃったり、色々撮影ってあるじゃないですか。そんな中であのシーンのあの霧は本当に自然の恵みでこの映画に花を添えてくれた霧だと思うので、そこを観てほしいですね」
そしてマスコミのフォトセッションが終わった後に、なんと客席のみなさんにも撮影タイムが!!
みなさんスマホを片手に10秒間(!)撮影を楽しんでおりました。
北海道のみなさんへメッセージ
そして最後にお二人からメッセージを。
白石「今日観ていただいて何か心にひっかかるものがあったら、ぜひ沢山の人を劇場にみなさんの力で送り込んでいただいて応援していただけたらと思います。本当に今日はありがとうございました!」
香取「いよいよ公開で、28日から映画館に沢山の人がこの映画を観に来てくれることをすごく願っています。ずっとみなさんに観てほしいと思いながらこのときを本当に待っていたので、白石監督の作品に参加できることになって本当に幸せ者だなと思っています。“あまり見たことのない香取慎吾”と言われていますが、それを作ってくれたのは白石監督だと思っています。今日みなさんに観ていただいて沢山の人にSNSを駆使して拡散していただいて(笑)、SNSじゃなくても身近な方に、何か映画を観終って心に残るものがあったならそれをみなさんにお伝えしてほしいなと思います。今日こうやって札幌に来れて本当にうれしく思っています。本当に久しぶりに来れて、『クソ野郎と美しき世界』という映画もあってその時のキャンペーンの中にも入っていなくて北海道が。(新しい地図の)ファンミーティングもあったのに北海道に来れなくて、もうみなさん北海道から色んな地域に来てもらってて本当に申し訳なく、いつかいつかと思っていて。今日来れてうれしいんですが、ちょっとこれではまだまだ足りないから、またすぐ、それこそこの映画大ヒットの舞台挨拶でもう一度ここ札幌に、北海道に帰ってこれたらなと思っていますので(客席から大歓声)、みなさん本当に今日はありがとうございました!」
大きな拍手と歓声の中、舞台挨拶は名残惜しく終了しました。
「喪失と再生」をテーマにした本作は、観終わった後に『凪待ち』のタイトルの意味を感じられる作品です。
今まで観たことのない、でもこういう香取慎吾が観たかったと思わせるような、狂気、絶望、優しさの表情、ノーメイクで無精髭を生やし、汚れた男の中にある色気。その圧巻の佇まいを是非劇場でご覧ください!
(ポロコスタッフ IM)
※記載価格はすべて税込です。
※掲載情報は取材時点のものです。施設内容やメニューなどは変更になる場合があります。
-
店名
サッポロシネマフロンティア札幌シネマフロンティア
- TEL 011-209-5400
- 住所 北海道札幌市中央区北5条西2丁目5 JRタワー札幌ステラプレイス・7F
- アクセス JR・地下鉄さっぽろ駅直結
- 駐車場 なし
- カード 可
- URL http://www.cinemafrontier.net/cgi-bin/pc/index.cgi