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【たすけてドクター】045. ポリープが気になります

2018年8月1日

心療内科はどんなところ?

Q. 今、婦人科ポリープが気になります。実は、私もポリープを持っています(宇多田ヒカルさんと同じ!?)。でも悪性ではないので放っておいています。悪性に変化することってありますか?
(39歳・主婦)

A. 婦人科ポリープということですが、婦人科領域でポリープができるところは子宮だけですので、今回は子宮のポリープについてお話します。

 子宮は入口(赤チャンからすると出口?)部分の「頚部」と本体の「体部」に分かれます。この頚部にはトンネル状になった頚管があり、膣側と体部にある子宮の内腔をつないでいます。内腔には内膜があり、生理の時にはこれが剥がれて出血し、頚管を通って膣の方に出てくるわけですネ。そしてポリープは「頚管にできるもの」と「内膜にできるもの」とがあります。

 ポリープは日本語では"茸腫"(ジョウシュ)と訳します。しかしこの言葉が使われることはまずありません。文字どおり"キノコのような腫瘍"ということですが、本当にキノコのように傘が開いているわけではありません。外皮や粘膜などが突出してきて腫瘍状になったものの総称です。

 まず「子宮頚管ポリープ」について。これは粘膜の炎症が原因で起きたり女性ホルモンが関係しているといわれていますが、はっきりした原因は分かっていません。大きさは米粒大ぐらいですが、大きくなると1cmを超えるものもあります。大きくなるに従って薄くなり"木の葉状"になります。

 放っておいても大きな問題はありませんが、出血しやすいため、そして、悪性かどうかを確認をするために、見つけた場合にはよほど小さなものではない限り取ることが多いです(そこは医師の判断になりますが)。痛みなどの症状はなく、婦人科検診で偶然発見されるか、不正出血で受診した際に見つかって処置を受けることが多いようです。

 治療ですが、普通は頚管の入口にできるので、鉗子(かんし=ハサミ状の器具)でつまんでひねれば取れます。外来で簡単にできる処置で、痛みや出血はほとんどありませんが、たまにキノコのように茎を持っていて頚管の奥の方から出ていることがあります。茎が細ければその根元をひねればOKです。

 しかし太い場合はひねって取ることが難しくなりますし、取れたとしても出血が止まらなくなる可能性がありますので、手術室で切除しなければならない場合もあります。このポリープは良性でありガンであることはほとんどありませんが、念のために病理検査に出して確認します。再発することがありますが、予防方法はありません。

 次に「子宮内膜ポリープ」。こちらは女性ホルモンの作用で子宮内膜が過剰に増殖したもので、頻度としては頚管ポリープに比べると大変に少ないものです。無症状の場合もありますが、生理の出血が多くなることがあります。

 治療としては切除しかありませんが、頚管ポリープのように簡単にはいきません。狭い頚管の奥にある内膜にできているので、ヒステロスコープ(子宮鏡)という内視鏡装置を使って切除します。子宮内腔を見ながら輪状になった細い電熱線で切り取ります。

 これ自体の痛みはあまりありませんし外来ですみます。ただ出血が多くなることもありますので1泊入院の可能性も考えられます。場合によっては、手術室で静脈麻酔下で内膜掻爬(そうは=痛的組織を取り出すこと)をすることもあります。

 この内膜ポリープは頚管ポリープと違って悪性の場合があります。また「子宮内膜増殖症」という子宮内膜ガンに発展する可能性のある病気があり、この増殖症がポリープの形で表れることもありますので病理検査は必ずします。

 御質問の方は“悪性ではない”ことがはっきりしているようなので、とりあえずは様子をみて“可”というところでしょうか。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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