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【たすけてドクター】157. 婦人科検診とは?

2018年8月1日

婦人科検診とは?

Q.  20代後半ですが、婦人科検診は受けた方がいいのでしょうか? また、どのようなことを診てもらえばいいですか? 
(27歳・女性)

若くても婦人科検診は受けるのがベター
 20代後半ということで年齢的にはお若いのですが、結論から言いますと、やはり婦人科検診は受けられた方がいいのではないかと思います。婦人科はほかの科と違って、女性の皆さんにとって受診しづらいところでもありますし、また、どんなことをされるのか不安を持たれることも多いでしょう。子宮ガンや卵巣ガンなどの悪性疾患は、20代であれば見つかる可能性は低いのですが、症状が出てからでは遅かったり、治療に難儀する場合も考えられますので、機会があるなら受診された方がよろしいかと思います。たとえ、ガンではなくても子宮筋腫や卵巣のう種が見つかることもあります。直ちに治療を必要としない場合でも、経過を見続けた方がよいこともありますので、把握しておくのに越したことはありません。

まずは、「双手診」で子宮をチェック
 実際に婦人科を受診された場合にどのような診療をするのかといいますと、普通は内診台に上がっていただき診察をする「内診」から始まります。一般的には、子宮の硬さや大きさ、動きの状態を診るために、まずはお腹の力を抜いていただき、膣の方から入れた指とお腹側から押さえる「双手診」をします。これは、婦人科の診察では基本となり、内科でいえば聴診器をあてられるようなものでしょうか。

ときには経膣超音波検査を行うことも
 子宮ガン検診を1年以内に受診していなければガン検診をし、経膣超音波検査で子宮や卵巣、あるいはその周囲を観察します。超音波検査が発達する以前は、双手診が診察の主流でしたが、緊張などで体が硬くなっている方や、肥満で腹部が膨隆している方は、この診察法ではよく分からないこともありますので、超音波検査によって骨盤腔内の状況を把握します。経膣的な超音波検査は超音波を発する棒状の機械を膣から入れてモニターで確認するのですが、子宮や卵巣のすぐ側まで届くため、鮮明な画像を得られるのがメリットです。膣の中に入れる部分は1円玉の直径くらいでしょうか。

経腹超音波と経膣超音波の違いは?
 内科などで行われるお腹を通して(経腹的)の超音波検査ですと、子宮や卵巣までの距離が遠くなり、発した超音波の効力が減衰してしまい像がぼやけてしまいます。さらに、通常子宮を覆っている腸内のガスによって超音波が散らされてしまい、中の様子が見えにくくなってしまうのです。子宮のすぐ前にある膀胱にお小水が溜まっていれば大きくなった膀胱が腸をよけてくれますし、お小水は超音波をよく通しますのできれいに子宮が見えます。経膣超音波検査ができない場合は、ジュースや水を飲んでいただきお小水を貯めてから経腹で見ることもあります。反対に経膣的に見る場合は、大きくなった膀胱が邪魔になることもあります。
  経膣超音波検査では、双手診では分からない子宮の中の小さな筋腫まで見ることができますから、内診時には双手診だけでは終わらずに、超音波検査をすることが多くなっています。なお、超音波を発することによる痛みは全くありませんので……念のため。

何よりもリラックスすることが大切!
 子宮ガン検診は、「クスコ」という鳥のくちばしのようなものを入れて膣を開き(クスコ診)、子宮の入口にあるオリモノを取り出すだけの検査ですから、2~3秒で終わりますし、普通は操作自体で痛みは感じないものです。ただし、緊張していると、クスコ診のときに痛みを感じられる方もいらっしゃいます。まずは何よりもリラックスすることが大切。クスコは開いても1cmくらいという小さなものからありますので、患者さんに合わせて大きさを決めています。
  症状はなくても、「子宮ガン検診をお願いします。卵巣も見て下さい」と言って受診すれば、どこの婦人科でも診察してもらえます。年に一度受けておけば安心ですね。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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