さっぽろカフェ連載(30)/COJICA COFFEE
暮らしのすぐそばにある非日常
北24条駅界隈の喧騒を抜けて人の流れも穏やかになった頃、真っ白な建物が見えてくる。ここはアートギャラリーとカフェ、それに弁護士事務所が一つの建物に集約されているちょっと珍しい場所。
その扉を開くとすぐに現れるカウンターが「COJICA COFFEE」だ。
使用する豆は各地のロースターから仕入れるバラエティ豊かなスペシャルティコーヒーやブレンド。オーダーごとに抽出するドリップコーヒーはもとより、バリスタの佐々木さんによるラテなどのアレンジコーヒーも評判だ。
カジュアルに本格的なコーヒーを
「お昼過ぎは自然光がとってもいいんですよ」と店長の佐々木さんの言葉に誘われて、取材に訪れたのは晴れた日の午後。真っ白な空間は天井が高く、やわらかな日差しが射し込む店内は外から見るイメージより細く長い。
もとは中央区にあった、現代アートを扱うギャラリー「salon cojica」にカフェを併設したのがはじまり。偶然今の場所へ建物の建設が決まり、休眠期間を経て移転。まだ札幌でコーヒースタンドという言葉があまり一般的ではなかったころから、「気軽に、かつ上質な豆を使った美味しいコーヒーを楽しめるお店を作りたい」と現在の形を作り上げた。
「あのコーヒーを気に入っていたお客様には、今日はこれを紹介してみようとか、気温や天候によってラテのミルクの温度を変えようとか。細やかに対応できるのも、一人でスタンドに立っているからこそのいいところかな」と佐々木さん。
丁寧に作られた焼き菓子もぜひ
音楽家としての顔も持ち、根っからの凝り性な佐々木さん。それが遺憾なく発揮されているのが評判の焼き菓子だ。
例えば一つのケーキに味わいの異なる数種類の砂糖やカカオを独自にブレンドするなど、単なる“コーヒーのおとも”と称するにはあまりに本格的。しかもそのすべて独学だという。
カヌレやキッシュロレーヌ、カトルカールなど、クラシックなフランス菓子が多いのは、「美味しいお菓子を作るならまずは基本に忠実に」という想いから。
様々な人が集う場所
颯爽と自転車でやってきてコーヒーをテイクアウトする男性や、コーヒーを待つ間「salon cojica」に展示された現代アートを眺めるカップルがいる。
ギャラリーといえば一部の人にだけ開かれた場所のようなイメージがあるけれど、それを軽やかに覆してくれるのがこの場所だ。だから姉妹店として北海道立近代美術館に「KINBI nicojica」がオープンしたときはとってもワクワクした。
最後にカフェを営むことのよさたずねてみると、「音楽の仕事と両立できるところ」というシンプルな答えが返ってきた。
それはにわかに注目される“多様な働き方”というよりも、まったく異なる仕事だからこそどちらへも刺激を与え合い、新たなひらめきが湧いてくるということらしい。
バリスタ仲間との間借り店の構想、農業や酪農への興味など、つきない好奇心と探究心はこれからも私たちを楽しませてくれそうだ。
※記載価格はすべて税込です。
※掲載情報は取材時点のものです。施設内容やメニューなどは変更になる場合があります。
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店名
コジカ コーヒーCOJICA COFFEE
- TEL 011-700-0702
- 住所 北海道札幌市北区北23条西8丁目 coneco bld.1F
- アクセス 地下鉄北24条駅1番出口より徒歩5分
- 駐車場 なし
- 営業時間 11:00~19:00 L.O. 18:30
- 定休日 日・月曜、ほか不定休あり
- カード 不可
- 席数 10席/禁煙
- 子供の利用 OK
- URL https://www.instagram.com/cojicacoffee