さっぽろカフェ連載(40)/珈琲と衛星
ビルの奥にひっそり佇む一軒
小学校の黒板みたいな色のドア。
誰とも目線が合うことのない席の配置。
ほんの少し開いた窓から聞こえてくる小鳥のさえずり。
夏は磨りガラスの窓越しに揺れる緑。
古道具の見立てにもセンスがあって、
このお店の好きなところなら何個でもあげられる。
まっすぐ帰りたくない気分のときや、気持ちをスイッチしたいとき、
自然と足が向く「珈琲と衛星」は、まさに私にとってのサテライト(衛星)だ。
「喫茶店の仕事が性に合っているんです」と笑顔で話す店主の加藤さんと、帰り際に交わす何気ない一言も心地がいい。
メニューはコーヒーとの相性を第一に
中深煎りでまろやかな飲み口のコーヒーは、「珈和堂」の豆を使用したオリジナルブレンドで、毎日でも飲みたくなるような、ほっとする一杯。飾らない月替りのスイーツをはじめ、フードはどれもそのコーヒーに合うような食感と風味を心がけているそう。
そしてなんといっても、土・日曜、祝日限定のスコーンの美味しさにはびっくりしてしまう。
全粒粉を使う甘さ控えめで素朴な生地に、発酵感のあるほのかな酸味のクロテッドクリーム、こっくりとした蜂蜜がコーヒーと本当によく合う。
個人的にはクリームと蜂蜜を多めに残しておいて、最後のひと口にたっぷりとのせる。それを思いきり頬張るのが、もう、たまらない。
「一軒で美味しいコーヒーも、栄養も摂れたら」との想いから、新たに平日限定でポタージュとパンの軽食もスタート。ニンジンやホウレン草といったベーシックなものから、ポタージュには珍しい食材まで、内容は基本的に週替わり。
詳しい内容はSNSにて確認を。
一人で過ごす贅沢な時間
現在はおひとり様専用の喫茶店として営業している同店。
店内には店主の蔵書が並んでいて、ひとりの時間を過ごすにはもってこいだ。
誰かの本棚を眺めるとき、
その人の心の中を片目を瞑ってこっそり覗くような、
ちょっとくすぐったい気分になるけれど、
自分と好きなものが一緒だったらちょっとうれしい。
お気にりの本が並ぶ本棚を前に
「今日はどれにしようかな……」なんて迷いながら一冊を手に取り、
コーヒーを片手にページをめくる時間は最高のひととき。
加藤さんにとって喫茶店とは“人間らしい仕事”だという。
確かに考えてみれば、コーヒーとは、なんて人の手がかけられた飲み物なんだろう。
誰かが大切に育てた豆がはるばる日本へやってきて、焙煎士がピッキング・焙煎、ブレンド。
お店ではもくもくと湯気を立てるやかんのお湯の頃合いを見つつ、店主がグラインダーで豆を挽き、ゆっくりネルドリップし、ようやく琥珀色の豊かな雫がカップへと注がれる。
当たり前のように手間をかけて運ばれるコーヒーは、
もしかすると人の営みそのものなのかもしれないな、と思った。
珈琲と衛星
札幌市中央区大通西17丁目1-3 太田ビル1F
※記載価格はすべて税込です。
※掲載情報は取材時点のものです。施設内容やメニューなどは変更になる場合があります。
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店名
コーヒートエイセイ珈琲と衛星
- TEL なし
- 住所 北海道札幌市中央区大通西17丁目1–3 太田ビル1F
- アクセス 地下鉄西18丁目駅4番出口より約3分
- 駐車場 なし
- 営業時間 13:00〜19:00 *LO 18:30
- 定休日 月・火曜(祝日の場合変動あり)、ほか臨時休業あり(SNSを確認)
- 席数 8席/禁煙
- 子供の利用 応相談
- URL https://www.instagram.com/coffeetoeisei