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【たすけてドクター】053. 子宮内膜症で悩んでいるのに、治療が長続きしない…

2018年8月1日

子宮内膜症で悩んでいるのに、治療が長続きしない…

Q. 10年ほど前から子宮内膜症で悩んでいます。札幌に来てから3つの病院に掛かりましたが、きちんと話を聞いてくれる先生がいなくて長続きしません。現在は諦めて治療を止めました。どうすれば先生とうまくコミュニケーションがとれるのでしょう…。
(39歳・主婦)

A. 子宮内膜症については今までも何度かお話をしてきましたので(※1)、まずは簡単にご説明します。

 これは子宮の中に本来あるはずの“子宮内膜”(生理の時に剥がれる部分)が子宮の中以外にもできてしまい、この異所性内膜も同じように剥がれるので、生理痛が増したり癒着が生じたりする病気です。

 しかしその原因については、今のところよく分かっていません。女性ホルモンの存在で悪化する病気ですので、普通は女性ホルモンのレベルを下げるような治療をします。鼻腔内への噴霧や注射剤がよく用いられますが、その結果、更年期に近いホルモン環境を作ってしまうので、更年期障害のような具合の悪さが出ることがあります(全ての人に出るわけではありません)。ただし、この更年期障害のような症状を軽減する方法は色々とあります。

 子宮内膜症の治療法は現在、西洋医学的にはほぼ先に話した治療のみですので、治療方法の選択に困ることは普通はありません。読者の方がかかわった医師は「きちんと話を聞いてくれない」とのことですが、具合いの悪さが出た時に訴えてもきちんと対応してくれないということでしょうか?

 医師側からすれば、子宮内膜症は手術療法は別として、外来で薬を出すということでは決められた方法は、ほぼ一通りしかありませんので“対処しやすい”病気の一つでしょう(私自身は噴霧剤や注射剤はあまり使わないので、いつも頭を悩ませますが…)。

 つまり決められた薬を決められた通り処方するだけですから、医師側には「これで効かなかったらしょうがないですね」という意識がどこかにあり、「これ以上何か言われても困るんだけどね~」という思いから、患者さんの訴えにあまり耳を傾けない、ということになるのではないでしょうか。本当はそうであってはならないのですが…。

 質問にあった「先生とうまくコミュニケーションがとれない」のはドクター側の責任であって、あなたが悪い訳ではありません。医療というのは、結局人間と人間の結びつきですから、“合う先生を探すしかない”と思います。

(※1 「002.生理痛でユウウツ」 「015.子宮内膜症について知りたい」 「025.子宮内膜症は治る?」 「026.子宮内膜症は治る?」参照)

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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