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【たすけてドクター(胃腸科)】011. 食道裂口ヘルニアとの診断。悪化させないためには?

2018年8月1日

食道裂口ヘルニアとの診断。悪化させないためには?

Q. ゲップが多くて胃カメラの検査をしたところ、逆流性食道炎でした。さらに、食道裂口ヘルニアとのことで、完治はないと言われました。これ以上、悪化しないためのアドバイスをお願いします。

(40歳・公務員)

A.

食道炎の原因は強い酸性の胃液

 逆流性食道炎とは、食道と胃の境目にビラン(ただれ)や潰瘍を作る病気で、主な症状は痛み、胸焼け、吐き気などです。通常、食べ物が食道から胃に入ると胃液が分泌され、消化が始まります。その際、胃の入り口は閉じ、強い酸性の胃液が食道に逆流しないようになっています。従って、正常の状態では、食道は酸に接することがないため、酸には弱く、何らかの原因で逆流がおこると、食道炎をおこしやすくなるのです。

 

胃の一部が飛び出す食道裂口ヘルニア

 また、横隔膜により、食道は胸の中、胃はお腹の中というように場所がはっきり分けられています。ところが、食道裂口ヘルニアというのは、胃の一部が胸の方へ袋状に飛び出してしまっている状態なのです。その部分の胃からも胃液は分泌されていますので、食道下部はいつも酸にさらされている状態で、逆流性食道炎をおこしやすく、治療しても治りにくい、治っても再発しやすいというわけです。しかもヘルニアは横隔膜という筋肉の一部の穴が緩くなった状態ですから、年齢と共にその程度が強くなり、余計に厄介なことになるのです。

 

半年~1年に1度は胃カメラ検査を

 治療としては酸の分泌を強く抑制するPPI(プロトンポンプ阻害剤)というクスリが用いられますが、この方の場合、ヘルニアがあるので1度治っても再発しやすく、少ない量を長期に渡り継続して服用する必要があります。半年~1年に1度は必ず胃カメラの検査を受け、食道炎の経過や、ガンの合併がないかなど、キチンとチェックする必要があります。さらに、日常の生活では、良く噛んでゆっくり食べる、食べてすぐ横にならない、寝る2時間以内はものを食べない、などの注意が必要です。

poroco本誌過去掲載分から一部抜粋で掲載しています。

 

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